消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

申入れ・要請等

昭和大学から、令和2年12月31日現在、入学検定料の返還対象者:5738人のうち、5232人(返還率91.2%)への返還を行ったとの回答をいただいています。

経過

被害回復制度に基づく申し入れの成果

 昭和大学は当機構の裁判外の申し入れ等を勘案して、入学検定料の返還に応じました。昭和大学も「お知らせ」にて「他大学の判決および第三者委員会の指摘も勘案して」と述べておりますが、当機構が、集団的な消費者被害の回復を可能とした消費者裁判手続特例法(※3)に基づき、本件と同様の事案である学校法人東京医科大学を提訴し、勝訴判決(※4)を得ていたことも影響したと考えられます。

(※1)当初、当機構が昭和大学に対して申し入れていた返還対象者は「平成29年度・平成30年度の医学部の入学試験を受験した2浪以上の志願者(合格者を除く)」でした。しかし、昭和大学が設置した第三者委員会の「中間調査報告書」(平成31年1月18日付)及び「最終調査報告書」(令和元年8月2日付)によれば、該当年度の医学部の入学試験において不当な差別的取扱いを受けた受験生は、当機構が昭和大学へ当初の申し入れを行った時点で判明していたよりも広範にわたることが確認できたことから、返還対象範囲を広げて再度の申し入れを行ったものです。

(※2)返還対象試験から大学入試センター試験名がないのは、昭和大学では、大学入試センター試験を利用した入試については、入試要項にて出願資格を現役生に限定していることによります。

(※3)消費者庁:消費者団体訴訟制度とは

(※4)当機構の東京医科大学の共通義務確認訴訟
:当機構では、受験者の属性により不適切な選考を行っていたとして、2018年12月に東京医科大学に共通義務確認訴訟を提起し、2020年3月には、「当該大学は、個々の消費者の事情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、入学検定料等を対象消費者に支払う義務を負う」旨の判決をえています。

この間の協議経過

2020年7月9日
昭和大学が浪人生・女性に医学部の入学検定料を返還すると回答しました
2019年10月25日
昭和大学に医学部受験料の返還を申入れましたが、現在検討中との回答に止まっています。