消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

被害回復訴訟

学校法人東京医科大学に対して2018年9月19日以降、申入れ・要請・質問を行い、3通の回答文書を受領しました。

(1) 本件については、2018年8月27日から受験料返還を求める方からの情報提供を呼びかけています。(コチラ)

2019年2月6日時点で92名の方より情報提供をいただきました。貴重な情報を提供してくださった皆様に御礼申し上げます。

(2) いただいた情報、ご意見を踏まえ、当機構は9月19日付で当該大学に対して次の趣旨の申入れおよび問合せを行いました。

【申入れの趣旨】

平成29年度・平成30年度の医学部医学科の一般入学試験の女性及び3浪以上の浪人生である志願者(合格者を除く)に対して、直ちに入学検定料相当額の損害賠償金の支払いをしてください。

※特定適格消費者団体が消費者裁判手続特例法にもとづいて消費者の被害回復を請求できる範囲を踏まえたものです。当機構のウェブサイト「消費者団体訴訟制度とは」中の「被害回復(1)対象になる消費者被害」をご参照ください。

【問合せ】

  1. ①平成29年度の医学部医学科の一般入試の女性及び浪人生に対する得点調整の方法について明らかにしてください。
  2. ②医学部医学科の一般入試において、浪人生であるか否か、及び浪人の回数について、どのように判定していたか明らかにしてください。

(3) また、9月21日付で当該大学に対し、特定適格消費者団体が消費者裁判手続特例法にもとづいて消費者の被害回復を請求できるものではありませんが、被害の深刻さに鑑みて次の趣旨の要請を行いました。

【要請の趣旨】

  1. ①希望する志願者に対する調整前の得点及び順位、調整後の得点及び順位並びに合否判定基準の開示
  2. ②得点調整が行われていなければ合格していたことが判明した志願者に対する在学契約の申込みの資格又は在学契約の予約完結権の付与
  3. ③得点調整が行われていなければ合格していたことが判明した志願者に対する不合格となったために被った損害(慰謝料、逸失利益等)の補償
  4. ④平成18年度から平成28年度までの医学部医学科の一般入学試験における女性および浪人生である志願者に対する得点調整の内容についての開示、および平成29年度・平成30年度と同趣旨の得点調整を行っていた場合にはそれら志願者(合格者を除く)への入学検定料相当額の損害賠償金の補償

(4) 上記の申入れおよび要請に対し、当該大学から10月4日付で「回答書」が送付され、10月5日に受領しました。

(5) 当機構は、当該大学内に設置されている第三者委員会の調査結果の報告およびそれを踏まえた当該大学からの回答を待っていたところ、当該大学の第三者委員会の第一次調査報告書が10月22日付で公表されました。
https://www.tokyo-med.ac.jp/news/media/docs/20181023SurveyReport.pdf

また、当該大学から11月14日付で新たな「回答書」が送付され、11月15日に受領しました。これによると、9月21日付「要請書」の内容に対しては回答がありましたが、9月19日付「申入れ書」の内容に対しては引き続き検討中であり、今後の第三者委員会の調査結果も踏まえて対応を決定するとのことでした。

(6) 当機構は、第一次調査報告書で新たに明らかにされた得点調整の内容および11月14日付「回答書」の内容を踏まえ、11月16日付で申入れ事項の追加と回答の要請を行いました。

【追加した申入れ事項】

下記の志願者を申入れ事項(入学検定料相当額の損害賠償金の支払い)の対象範囲に追加しました。

  1. ①平成29年度・平成30年度の医学部医学科の一般及びセンター利用入学試験の「高等学校等コード≧51000」に該当する志願者
  2. ②平成29年度・平成30年度の医学部医学科のセンター利用入学試験の女性及び3浪以上の浪人生である志願者
  3. ③平成29年度の医学部医学科の一般及びセンター利用入学試験の1浪・2浪の浪人生である志願者

【回答の要請】

第三者委員会によるさらなる調査報告を待たずに、貴法人の対応方針を2018年11月30日までに回答してください。

(7) これに対し、当該大学から11月30日付で3通目の「回答書」が送付され、12月3日に受領しました。

これによると、平成29年度・平成30年度の志願者とそれ以前の志願者の間に不平等が生じないよう、第三者委員会の調査結果を待って判断したいとのことでした。