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資格・検定試験の受験辞退者に対する受験料等返金に関する調査結果がまとまりました。

 消費者機構日本は、資格・検定試験の「受験を申込み後にキャンセルしても、解約の時期にかかわらず受験料を返還しない」とする不返還条項が、消費者契約法第9条1号(注1)に該当する不当条項にあたる可能性があると考え、「資格・検定試験の受験辞退者に対する受験料等返金に関する調査」を2010年2月に実施いたしました。

 <受験料返金に関する調査を開始>資格・検定試験の受検辞退者に対する受験料等返金に関する調査を開始しました。(2010.2.5)

 このたび、アンケート結果がまとまりましたので公表します。

 ご回答いただきました組織・団体の皆様には、ご多忙の折にご協力いただき大変ありがとうございました。

  • 注1:(消費者契約法第9条の抜粋)
     次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
    1. 1 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由,時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの、当該超える部分

【実施概要】

目      的:
資格・検定試験の受験申込みキャンセル時の返金対応の実情把握
実施期間:
2010年2月3日~2010年3月12日
調査対象:
167組織・団体
  • *インターネット上の公開情報を参考に、7分野(医療/福祉、会計/金融、司法、不動産、パソコン、語学、その他)から、受験料5,000円以上の資格・検定試験を行なっている組織・団体を選定。
調査方法:
郵送調査
回 収 数 :
73組織・団体(有効回答数67組織・団体)回収率43.7%
  • *受験料5,000円未満の試験、講習会の受講終了後に資格の認定を実施している等の団体は対象外としました。

Ⅰ.アンケート調査の結果 【アンケート票】【PDF 132KB】

1.受験申込みをキャンセルした場合の検定料金の返金について
検定試験実施の当日までのキャンセルに対して、理由を問わず検定料金を返金している団体は少ない

 「Q1」の「検定申込者が受験申込み後にキャンセルした場合に、検定料金の全額若しくは一部を返金しているか」の問いに対して、有効回答数67組織・団体(以下「団体」)のうち、「返金している」と回答したのは27団体(40.3%)、「返金していない」と回答したのは38団体(同56.7%)、「検定試験により返金しているものと返金していないものがある」と回答したのは2団体でした。

 「Q1」で「返金している」「検定試験により返金する試験もある」と回答した計29団体のうち、「Q2-2」で「検定試験の申込みから試験当日までの間にキャンセルを申し出た場合に検定料金を返金する」と回答したのは20団体(注2)、「受験申込み書類の不備」「受験資格なし」「自然災害による受験不能」「主催者都合による試験中止」「次回の検定試験に振替受験ができないとき」等主催者判断による場合のみ「検定料金を返金する」をあげた団体は8団体(注3)でした。(無回答1団体)

 従って、検定試験の申込みから試験当日までに受験者本人の希望によるキャンセルの場合に「返金する」というのは20団体で、有効回答数の約3割(29.9%)だったのに対して、残りの約7割(70.1%)にあたる47団体は、受験者本人の希望によるキャンセルの場合は「返金しない」ということになりました。

  • 注2:「Q2-2」の「その他」での回答内容も加えて、受験者本人の希望によるキャンセルに対して「返金する」を軸に集計しました。その結果、「Q2-2」の1~4に○を付けた団体が13団体、「その他」で受験申込みから試験実施当日までのキャンセルに対して返金すると答えた団体が7団体で、計20団体となりました。
  • 注3:受験者本人の希望によるキャンセルの場合に「返金する」と回答した団体が、「自然災害による受験不能」や「主催者都合による試験中止」など、主催者判断による場合に返金しないということではありません。
2.検定試験キャンセル時の返金割合について
申込み締切日までのキャンセルに対する返金額の割合は、検定料金の約95%

 「Q2-2」で「検定試験の申込みから試験の前日までのキャンセルに対して返金する」と答えた団体(1~3を選択した団体)の返金額を見ると、「検定試験申込み~申込み締切日までのキャンセルの申し出」に対しての返金の割合は、検定料金の95%~97%(差し引く金額は「返金に関わる事務手数料」)、「検定試験の申込み締切日~試験前日までのキャンセルの申し出」に対しての返金割合は検定料金の90%(差し引く金額は「返金に関わる事務手数料」+「試験実施関わる実費」)でした。キャンセルを申し出る時期によって、返金割合を変えていることがうかがえました。

3.検定料金を返金しない理由と今後の対応
①返金しない理由は、「費用面」と「法令に記載されているため」が多い

 「Q1」で検定料金を「返金していない」「返金していない試験もある」と回答した計40団体に、「Q3-2(複数回答)」で、検定料金を返金しない理由について質問しました。

 その結果、「その他」が23団体、「試験実施の準備に費用がかかっており、返金すると費用が受験料を超えてしまうから」が19団体、「以前からの慣行」「同業他社で返金している団体が少ないから」が各7団体、「ペナルティとして取りキャンセルを少なくするため」が1団体でした。

 「その他」を回答した23団体の内訳は、「法律・条例に返金しない旨が明記されている」が15団体、「返金処理業務が本来の業務に支障をきたす」が7団体、「試験当日払いのため返金が発生しない」が1団体でした。

②今後、検定料金の返金を検討すると回答した団体は9団体

 「Q1」で検定料金を「返金していない」「返金していない試験もある」と回答した計40団体に、「Q3-3(回答は一つ)」で、今後、検定料金を返金するようルールを変えるプランがありますかと質問した結果は、9団体(22.5%)が「返金について検討する」、16団体(40.0%)が「返金するつもりはない」、12団体(30.0%)が「分からない」と回答しました。(無回答3団体)

4.検定料金の返金の有無についての書面等への記載について
①検定料金の返金の有無については受験要項に記載している団体が多数

 「Q4」の「検定料金の返金の有無について書面等に記載しているか」(複数回答)の問いに対して、有効回答数67団体のうち、「受験要項に記載」は57団体(85.1%)、「ホームページに記載」は39団体(58.2%)、「申込み用紙に記載」は14団体(20.9%)、「その他」は10団体(14.9%)、「領収書に記載」1団体(1.5%)、「どこにも記載していない」は6団体(9.0%)でした。「どこにも記載していない」理由には、4団体が「ケースバイケースで対応したいから」をあげていました。

 なお、「受験要項に記載」と回答しなかった10団体のなかには、国家試験関連団体が2団体ありました。この2団体のうち1団体は、「法令に記載してある以外にはどこにも記載していない」と付記していました。

②受験要項における返金についての記載内容が不明瞭

 今回はアンケートの送付とともに受験要項の添付を依頼しましたので、いただいた受験要項をもとに検定料金の返金に関する記載の有無について調べました。

 そうしたところ「Q1-1」で「返金している」「返金している試験がある」と回答した計29団体のうち、15団体の受験要項には「一旦納めた受験料は返金しません」という旨の記載しかありませんでした。

5.消費者契約法第9条1号について知っていると回答した担当者は約3割と少ない

 「Q5」の「消費者契約法第9条1号を知っているか」とのアンケート記入担当者への質問に対しては、有効回答数67団体の担当者うち、「知っていた」が21人(31.3%)、「知らなかった」が43人(64.2%)でした。(無回答3)

 この調査結果から、消費者契約法第9条1号の周知度は低いことが分かりました。

Ⅱ.団体の皆様への要望

1.返金ルールの検討を望む

 今回のアンケートの回答に「受験者本人の希望によるキャンセル時には検定料金の返金対応はしない」、「今後も検定料金を返金するつもりはない」、「今後、検定料金を返金するか分からない」と回答した団体(国家資格関連の団体を除く)には、受験者本人の希望によるキャンセル時に対する検定料金の返金ルールを検討されることを要望します。

 検定料金の返金ルールを検討するには、検定試験の申込みがキャンセルされたことにともない、事業者に発生する契約解除の時期等を考慮した合理的な方法により算出した平均的な損害額(参照 注1)と返金に関わる事務的経費がどの程度発生するかを把握することが必要となり、これらの損害額等については当該事業者自身が正確に把握できると考えます。

2.受験要項に、返金の実情に添った記載を望む

 今回のアンケートの回答には、「自然災害によって受験できなかった場合」、「主催者判断によって受験できなかった場合」、「受験申込者が死亡した場合」等には返金すると回答しながら、そのことを受験要項に記載していない団体がありました。

 検定料金の返金に関しては、具体的に受験要項に記載されていないと、受験申込み者は検定料金の返金の申し出を諦めてしまうことが考えられます。

 受験要項には返金の実情に合わせて具体的にその内容を記載されることを要望します。

Ⅲ.消費者の皆様へ

 今回のアンケート調査の結果から、受験要項に「検定料金は返金していません」と書かれていても、また、検定料金に関する返金規定の記載がなくても返金を受けられるケースがあることが分かりました。

 検定試験の申込みをキャンセルする際には、検定試験の実施団体に対して、返金を受けられるかどうかを確認しましょう。