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意見・提言を発表しました

消費者機構日本は「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案」へのパブリックコメントを提出しました!

 消費者庁では、集団的消費者被害回復に係る訴訟制度に関する法律案(仮称)の成案化にむけた作業を進めてきましたが、本年8月7日に「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案」(以下「制度案」と表記)を公表し、同日から、制度創設に向けてのパブリックコメントの募集を開始しました。

 消費者機構日本は、今回示された「制度案」を基本的に支持するとともに、制度の早期創設を求めて、以下の12項目について意見表明を行いました。(枠外のタイトルは意見の要点を仮に示したものです。)

1.「制度案」を支持し、制度の早期創設を強く求めます。

意見の対象 第5.その他
意見の内容 今回示された「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案」(以下「制度案」と表記)を基本的に支持するとともに、制度の早期創設を強く求めます。
理 由  依然として多数の消費者を巻き込んだ消費者被害が後を絶たず、十分な被害救済がはかられていない現状に鑑み、消費者被害の実効的な回復をはかる制度の創設は喫緊の課題です。
 今回示された「制度案」は、先に示された「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子」(以下、「骨子」と表記)についての意見募集で出された意見を踏まえつつ、広く社会的な理解が得られる制度として設計されており、なお制度の実効性を確保していく上でのいくつかの要望はあるものの、現時点での到達点として、基本的にこれを支持するものです。よって、この「制度案」に沿って可及的速やかに法制化するよう強く求めます。

2.法施行前の消費者被害事案も、当然、制度の適用対象です。

意見の対象 第5.その他
意見の内容  本制度の施行前に発生した事案については、本制度の適用から除外するよう求める意見が出されていますが、そのような現行法における消費者の請求権を否定する取り扱いを認めるべきではありません。
理 由  本制度は、民事訴訟手続き上の特例を定めるものであり、既存の実体法に変更を加えるものではありません。したがって、本制度施行前に契約関係を結び、消費者被害が発生した事案であっても、制度施行時に実体法上の請求権があれば、本制度の対象となるのは当然です。
 しかし、この点に関し、「予測可能性のない訴訟に巻き込まれることになるので、本制度施行後に発生した被害事案に限って適用すべきだ」といった意見が出されていると聞き及んでいますが、今回の制度は実体法の改正ではありませんので、消費者に請求権が生じているか否かは、それぞれの事業者が現行法にてらして苦情の実体を考えれば判断できるはずであり、予測可能性は十分にあるといえます。
 また、「本制度のインパクトが強いので、本制度施行後に発生した事案に限定すべき」との意見もあるようです。この点については、自社と消費者の契約において消費者に請求権が発生しており、自社経営にインパクトが強いと判断されるのであれば、早急に計画的にみずから被害回復をすすめられることが当然のことです。そのように対応されていれば、本制度により訴訟提起をされることは考えられません。
 いずれにしても、これらの意見は、結果として、現行法において認められるべき消費者の請求権を否定するものであり、容認できません。

3.特定適格消費者団体に対する消費生活相談情報の提供について、充実強化を求めます。

意見の対象 第5.その他
意見の内容  特定適格消費者団体に対する消費生活相談情報の提供について、充実強化を求めます。
理 由  現行の消費者団体訴訟制度においては、消費者契約法第40条にもとづき、適格消費者団体の求めに応じ消費生活相談情報の提供が行われています。被害回復関係業務を想定した場合、特定適格消費者団体に対する消費生活相談情報の提供については、以下の点から充実強化が必要と考えます。

(1) 現行制度においては、提供される情報には、処理結果に関する情報は含まれていません。

→ 被害回復関係業務を円滑に行うためには、特定適格消費者団体に対して、処理結果についても情報提供されることが必要です。(処理結果がわからなければ、当該事案において多数の被害者の金銭請求権がどのように取り扱われているか判断できません。)

(2) 現行制度においては、消費生活相談情報の提供を受けるために、国民生活センターまたは地方公共団体に書面で申請し、2週間ほどを経て書面で情報提供を受けています。

→ 被害回復関係業務に関しては、差止請求関係業務と比較して迅速な対応が求められることが予想されます。よって、即時の情報確認が可能となるよう、PIO-NET端末を特定適格消費者団体に設置することが必要です。

(3) この他、行政内部で共有されているアラート情報(相談情報が急増した事業者に関する情報)についても、効果的に被害回復関係業務を行うためには、有用な情報であると考えられますので、特定適格消費者団体への提供についてご検討ください。

4.不法行為に基づく損害賠償請求権を民法上のものに限定しないことを求めます。

意見の対象 第2.被害回復裁判手続
意見の内容  共通義務確認の訴えができるものについて、不法行為に基づく損害賠償請求権を民法上のものに限定しないことを求めます。
理 由  「制度案」では、「…及び不法行為に基づく民法(明治29年法律第89号)の規定による損害賠償の請求(これらに附帯する利息又は損害賠償の請求を含む。)に係るものについて、共通義務確認の訴えを提起することができるものとする」としていますが、この限定によって金融商品取引法や金融商品販売法等に定められている損害賠償請求権はその対象から除外されることになります。
 金融商品被害といっても、被害額が相対的に低額であるため、被害者が訴訟提起をためらう事例は多数存在します。多くの訴訟が提起されているような印象がありますが、それは法人が原告であったり、大口の投資家が訴訟提起をしているからです。このように、金融商品取引法や金融商品販売法等に定められている損害賠償請求権が本制度の対象となることで法的請求権の実効性が確保されうることから、不法行為に基づく損害賠償請求権を民法上のものに限定しないことを求めます。

5.「制度案」の「共通義務確認の訴え」「④」の規定を支持します。

意見の対象 第2.被害回復裁判手続
意見の内容  「共通義務確認の訴え」「④」の規定は、支配性(優越性)の要件に係る「骨子」の表現からは前進しており、支持します。
理 由  先に示された「骨子」では、「対象となる権利」に関して、「個別の対象消費者の請求権について判断するために必要な事実に関する争いで主要なものが別に存在する場合はこの限りではない」とされておりました。この支配性(優越性)の要件について、消費者機構日本は、先の「骨子」への意見書において、こうした表現では対象事案が狭くなることが懸念されるので、「集団的消費者被害救済制度専門調査会報告書」(以下「専門調査会報告書」と表記)の「二段階目の手続に加入した多数の消費者について、個々の消費者ごとに相当程度の審理が必要となることがない程度になっている状態」という趣旨にそった表現に変更するよう求めてきました。
 今回の「制度案」では、「骨子」の上記表現を削除し、代わって「④裁判所は、共通義務確認の訴えに係る請求を認容する判決をしたとしても、事案の性質、当該判決に基づく簡易確定手続において必要となる審理及び立証の内容その他の事情を考慮して、当該簡易確定手続において届出債権の存否及びその内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるときは、共通義務確認の訴えの全部又は一部を却下することができるものとする」としています。
 「制度案」のこの考え方は、「専門調査会報告書」の考え方に沿い、裁判所が共通義務確認の訴えについて判断するとともに、届出債権の存否・内容確定を簡易な手続きでできるか否か、判断することを示したものです。抽象的な支配性(優越性)の要件を設けるよりも、具体的であり、実状にそった審理ができるものと考えます。

6.一段階目手続における訴訟上の和解の規定が明確にされています。

意見の対象 第2.被害回復裁判手続
意見の内容  一段階目手続(共通義務確認訴訟)における訴訟上の和解の規定が明確にされており、支持します。
理 由  一段階目手続における和解について、「骨子」では、「個々の消費者から授権を受けて個々の消費者の請求権に関する和解をすることができる」としておりました。これに対して「制度案」では、「特定適格消費者団体は、共通義務確認訴訟において、…、訴訟上の和解をすることができるものとする」とし、共通義務確認の訴えについては、訴訟を追行する特定適格消費者団体が単独で和解することができるようになりました。また、一段階目手続における和解は二段階目手続の開始原因となることとされています。
 消費者機構日本は、先の「骨子」への意見書で、「個々の消費者から授権を受ける」には、通知・公告を含む授権の手続きや規律をより明確にする必要があること、知れたる消費者の損害額を確定するために二段階目手続を利用できるようにすること等を求めてきました。今回の「制度案」では、これらの意見の趣旨が受け止められ、和解の対象を共通義務の存否について和解できるものとし、この和解を第2段階手続の開始原因としました。このことで、和解の段階において個々の消費者からの授権は不要となり、手続きも簡便なものとなっており、支持いたします。

7.改めて通知・公告費用の相手方負担を求めます。それができないのであれば、裁判所の判断による被告負担を求める方策の検討と、申立団体への無利子融資などの公的支援措置の導入を求めます。

意見の対象 第2.被害回復裁判手続
意見の内容  改めて、知れたる被害者への個別通知費用については、相手方の負担とすることを強く求めます。それが制度設計上困難であるとするならば、「骨子」が示した考え方にそって、原則として申立団体の負担とするにしても、場合によって、裁判所の判断で通知・公告費用の全部または一部を被告に負担させることができる方策について改めて検討することを求めます。併せて、申立団体の通知・公告に係る費用を無利子融資するなどの公的支援の仕組みを整備いただくよう求めます。
理 由  今回の「制度案」では、費用負担については申立団体が負担することとしています。これは、「骨子」において、「ア.原則として申立団体が負担することとする。イ.裁判所は、事情により通知・公告費用の全部又は一部を被告に負担させることができるようにする。」としていたことと比べても、明らかな後退であることは否めません。
 消費者機構日本は、先の「骨子」への意見で、「知れたる被害者への個別通知費用については、被告負担とする」ことを求めました。なぜなら、一段階目手続で被告の義務を認める判決が出されている以上、本来的には、被告が自主的に消費者に対して損害賠償を申し出るべきところですが、特定適格消費者団体が通知・公告を行うこととしていますので、少なくとも知れたる被害者への個別通知費用は相手方負担とするのが当然であると考えます。
 なお、個別通知費用は被害者の数によっては非常に多額になる場合があります。また、1件あたりの被害が相当低額であるなど事案の特性によっては、二段階目で被害者全体の一部しか訴訟に参加しないこともありうるところです。そのため、申立団体には通知費用の一部しか回収できないかもしれないとのおそれから、訴えを躊躇してしまうことも考えられ、結果として制度の活用が大きく阻害されてしまうおそれがあります。こうした申立団体の自己規制を防止し、制度の効果的活用をはかるためにも、知れたる被害者への個別通知費用については、相手方の負担とすることを改めて求めるものです。
 これが制度設計上困難であるとするならば、「骨子」が示した考え方にそって、原則として申立団体の負担とするにしても、場合によって、裁判所の判断で通知・公告費用の全部または一部を被告に負担させることができる方策について改めて検討することを求めます。併せて、申立団体の通知・公告に係る費用を無利子融資するなどの公的支援の仕組みを整備いただくよう求めます。

8.第三者に顧客情報管理を委託している場合の情報開示義務を明確にしてください。

意見の対象 第2.被害回復裁判手続
意見の内容  業務委託等により顧客に関する情報を第三者が所有している場合は、相手方の責任で第三者の所有する情報を開示する義務があることを明確にし、仮に情報開示義務を尽くさなかった場合は、申立団体が、裁判所に対して第三者への情報開示命令の申立ができるよう求めます。
理 由  二段階目手続への加入を促すための通知・公告については、可能な限り多くの対象消費者に当該手続きに加入いただき、被害回復を実効あるものにしていく必要があります。昨今、顧客に関する情報管理を第三者に業務委託したり、決済業務を第三者に委託している場合が多々ありますが、このように第三者に顧客情報の管理等を委託している場合であっても、被害回復を実効あらしめるためには、相手方責任で情報開示する義務があると思料します。ついては、相手方が「情報開示義務」を尽くさなかった場合は、申立団体は、裁判所に対して、この第三者が有する情報を「相手方が情報開示義務を負い、申立団体に開示しなければならない文書」として開示命令の申立ができるよう求めます。

9.情報開示命令に従わない場合の効果的な措置の導入を求めます。

意見の対象 第2.被害回復裁判手続
意見の内容  情報開示命令に従わない場合の制裁措置は、低額の「過料」ではなく、例えば、相手方の意図的なサボタージュの結果として通知・公告費用が過大となった場合は、その過大となった部分について相手方に負担させるといった措置の導入を求めます。
理 由  「制度案」の「申立団体による通知及び公告等」では、相手方が正当な理由なく情報開示命令に従わない場合、裁判所は過料に処するとしていますが、過料の金額が低額である場合には、情報開示命令に従わせるインセンティブは働きません。情報開示命令の実効性を高めるには、例えば、相手方の意図的なサボタージュの結果として通知・公告費用が過大となった場合は、その過大となった部分について相手方に負担させることができるといった措置が必要であり、その導入を求めます。

10.第一段階手続における仮差押えができる点について支持します。

意見の対象 第2.被害回復裁判手続
意見の内容  特定適格消費者団体が一段階目手続で仮差押え命令の申立ができる制度は、この間の論議経過からすれば前進と評価でき、これを支持します。しかし、仮差押え命令の申立には申立者の担保提供が必要であり、この費用については、無利子融資制度などの支援措置の具体化を求めます。
理 由  「骨子」では、二段階目手続で、特定適格消費者団体が対象消費者から授権を受けて仮差押え命令の申立ができるとしていましたが、「制度案」では、一段階目手続で、特定適格消費者団体が単独で仮差押え命令の申立ができるようになりました。これについては、制度の実効性確保の点から評価でき、とくに悪質事業者への対応が可能となるのではと期待されます。したがって、これを支持します。
 しかし、仮差押え命令の申立にあたっては申立者の担保提供が必要であり、この費用を捻出するのは特定適格消費者団体にとってたいへんハードルが高いものとなります。この点については、無利子融資制度などの支援措置の具体化を求めます。なお同様に、証拠保全にあたっても一定の費用が発生することがあり得ますので、前記とあわせて支援措置の対象とすることを求めます。

11.業務規程等の整備にあたっては、適格消費者団体との協議の場の設置を提案します。

意見の対象 第3.特定適格消費者団体
意見の内容  特定適格消費者団体の認定要件や被害回復関係業務の個別の規定に則した業務規定等の整備を行うため、適格消費者団体と所管庁による協議の場を設置されることを提案します。
理 由  今回の「制度案」では、特定適格消費者団体の認定要件や被害回復関係業務の詳細が明らかにされました。被害回復関係業務は適格消費者団体にとって新しいものであり、現状の日常業務を大きく改革していく必要があります。
 こうした観点から、全国の適格消費者団体と所管庁による協議の場を通じて、ひとつづつ課題を克服していくことが効果的ですので、今後の業務規程等の整備にあたっては、このような場を設置されることを提案いたします。

12.特定適格消費者団体の報酬に関し、独立した規定が設けられたことを支持します。

意見の対象 第3.特定適格消費者団体
意見の内容  特定適格消費者団体が被害回復関係業務に関して報酬を受けることができることが、独立した項目で明記されました。このことはかねてから強く要望してきたことでもあり、これを支持するものです。
理 由  今回の「制度案」では、独立した項目をたて、特定適格消費者団体が被害回復関係業務に関して報酬を受けることができることが明記されました。本制度において特定適格消費者団体が遂行すべき業務は、事案の分析・検討、訴訟遂行、対象消費者との連絡・意思確認、相手方事業者からの金員の受領と対象消費者への分配などにわたり、現行の差止請求関係業務に比べて事務作業量が著しく増大します。これらの業務を遂行する上で不可避的に生ずる人件費その他の費用はもちろんのこと、特定適格消費者団体が制度の担い手として将来にわたって持続的・拡大的に活動できるように一定の報酬を得ることができる仕組みとすることが必要です。
 以上から、「制度案」の報酬に関して独立した規定を設けられたことは、かねてから強く要望してきたことでもあり、これを支持するものです。