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消費者機構日本 通常総会記念シンポジウム 開催報告

 消費者機構日本は、第8回通常総会を6月2日(土)に開催いたしました。総会では、2011年度の事業報告・決算ならびに定款の一部変更をご承認いただくとともに、任期満了にともなう役員改選を行いました。また、2012年度は、着実に差止請求関係業務を展開しつつ、速やかな可決成立が期待される「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度」の実現に向けた取組みを、多くの消費者団体と連携して積極的に展開し、併せて、同制度の活用準備を本格的にすすめていくことを確認しあいました。

 そして、第8回通常総会後に総会記念シンポジウム『集団的消費者被害回復に係る訴訟制度について考える。』を開催しました。

 このシンポジウムは、同制度の立法を担当されている消費者庁消費者制度課の加納克利企画官をお招きし、昨年12月に公表された「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子」に基づいて制度の概要をご説明いただくとともに、会場からの質問やご意見をもとに、より実効性ある制度とするための課題は何かをともに考えあうことを目的に開催したものです。

 以下に、シンポジウムの概要と「質疑応答」での意見交換の概要についてご報告いたします。

1.シンポジウムの概要

1.日 時 2012年6月2日(土)15時00分~17時00分

2.会 場 弘済会館 4階「蘭」

3.参加者 55名(事務局を含む)

4.テーマ 集団的消費者被害回復に係る訴訟制度について考える。

5.参加費 無料

6.シンポジウム次第

【開会挨拶】
消費者機構日本 会 長 青山 やすし
【総会報告】
消費者機構日本 理事長 芳賀唯史
新任副理事長のご挨拶(注)
【講演】
「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子について」(注)
消費者庁 消費者制度課 企画官 加納克利 氏
【報告】
『骨子』についての適格消費者団体連名意見書について」(注)
消費者機構日本 専務理事 磯辺浩一
【質疑応答】
司会 弁護士 本間紀子 氏
【閉会挨拶】
消費者機構日本 専務理事 磯辺浩一

(注)

  • 新任の松岡(長見)萬里野副理事長、佐々木幸孝副理事長がご挨拶いたしました。
  • 加納企画官からは、昨年12月に公表された「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子」本文も参照しながら、主として「ポンチ絵」に基づいて、制度創設の背景・目的、制度の概要、ポイント(訴訟を担う主体、対象となる権利、消費者への通知・公告、簡易な手続など)を詳しく且つ簡潔にご説明いただくとともに、「骨子」へのパブリックコメントで出された特徴的な意見などもご紹介いただきました。
  • 当機構の磯辺からは、制度をより実効性あるものとするために、本年2月に適格消費者団体9団体の連名で衆参両院の関係議員宛に提出した「『集団的消費者被害回復に係る訴訟制度』創設に向けての国会審議についてのご要請」に基づき、適格消費者団体の問題意識や要望事項について10項目を紹介しました。

開会挨拶する青山 佾会長
開会挨拶する青山 やすし会長

総会報告をする芳賀理事長と進行の磯辺専務理事
総会報告をする芳賀理事長と進行の磯辺専務理事

ご講演する消費者庁:加納企画官
ご講演する消費者庁:加納企画官

2.「質疑応答」での意見交換の概要

司会の本間弁護士と回答する加納企画官
司会の本間弁護士と回答する加納企画官

 「質疑応答」では、会場から出された意見・質問書等を司会の本間弁護士がとりまとめ、それぞれについて加納企画官からご回答(補足説明)をいただく形で意見交換が行われました。

 主な意見交換の概要は以下のとおりです。(以下、枠内のQが会場からの質問で、枠外のAが加納企画官の回答となります)

Q.立法作業について特に調整が難航している論点はどこなのか。
A.この制度創設については、消費者庁設置法附則で関連法の施行から3年を目途に措置を講ずることとされている。今年9月には3年を迎えるので、この間、法案作成に向けて鋭意努力をしてきた。しかし、ご指摘のようにまだ法案提出には至っていない。一つには、二段階型訴訟制度は我が国で初めての制度であり、訴えの提起から判決の確定、強制執行まで、訴訟制度として運用可能なものとなっているか、慎重に検証しながら立法作業をしなければならないということがある。もう一つは、消費者・事業者の双方から受け入れてもらえる制度とするために、パブリックコメントで寄せられた意見は謙虚に受け止める必要があり、合理的な制度設計について検討しているところである。
Q.消費者契約法施行規則では、消費者問題の専門家として消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタント・消費生活専門相談員の3つが明記されています。政府方針により国民生活センターが国の機関へ移管された場合、「規則」のこの部分の記載内容はどのようになるのでしょうか。
Q.特定適格消費者団体の認定要件について、適格消費者団体は連名で「新たな業務を担うことに伴う必要最小限のものとする」ことを求めているが、この点について、どのように考えておられるか。
A.最初の質問だが、消費者契約法では適格消費者団体の要件として消費者問題の専門家が関与していることを定め、その専門家としてご指摘の3つの資格を施行規則において定めている。この資格については、今まさに消費者庁において検討中のことであり、現時点で確たる方向が出されているわけではない。適格消費者団体に消費者問題の専門家がいることを必要としている趣旨は、差止請求権の行使に関し検討するに当たって、消費者問題の観点から意見を述べてもらうためである。今後、この制度における「消費者問題の専門家」についての検討では、専門家には多種多様なものがあるとのご指摘を踏まえつつ、きちんと検討して参りたい。
 次に、特定適格消費者団体の認定要件だが、あまり過重な要件を課すと担い手がいなくなるという消費者団体の指摘はそのとおりだと思うが、他方、制度を安定的に運用する観点からは、一定の要件の付加は必要であり、このバランスをどうとるかの問題である。具体的には、弁護士を理事として必ず入れるとか、それなりの組織体制を備えるなどの要件の付加を検討している。
Q.一段階目の訴訟において、被害者である消費者と特定適格消費者団体との関係はどうなるのでしょうか。一段階目の訴訟においても、被害の認定のために具体的な被害事実の検討が不可欠であると思いますが、被害事例に係わる個々の消費者と特定適格消費者団体との関係は、委任等の関係になるのか、単に事例の提供等になるのかがよく判りません。それとの関係で、骨子の4頁「参加」で「消費者は、共通争点の確認の訴えに係る訴訟に参加することができないこととする。」と記載されていますが、これについてもう少し説明をお願いします。
A.後者の質問から答えたい。骨子4頁に書いてあることは、一段階目の手続は特定適格消費者団体が主体となって共通争点について訴訟を追行するわけだが、ここに個々の消費者が入ると個別事情が入り込んで一段階目の手続が非常に重たくなる可能性があるので、個別消費者は一段階目の手続には参加はできないとしている。
 次に、一段階目の手続における消費者と特定適格消費者団体との関係だが、当該適格消費者団体と消費者の合意内容によると考えている。例えば、消費者が適格消費者団体に早い時期に情報提供を行うことは、現行の差止請求訴訟でもそうだが、ありうることだ。その際に、二段階目の手続に入ったら委任をしますという約定を取り交わすことはあっても良いが、実際問題としては、一段階目で勝訴してから二段階目の手続の委任をすることになるのではないかと思う。とはいえ、一段階目で委任契約を結ぶことは絶対駄目だというわけではない。
Q.消費者団体から被害消費者への通知などのアプローチによって消費者のプライバシーが侵害されることはないか。消費者への通知は必要的なものになるのか。事案によって、裁判所の裁量の余地があるのか。
A.「通知」の際のプライバシー問題は確かにあるが、消費者にとって被害回復の手続きを与えるメリットのほうがはるかに大きいはずであり、適格消費者団体にも個人情報の保護に関する一定の行為規制をかけることにしており、それとのセットで通知・公告はしっかりやるのがよいと考えている。
Q.既に和解した消費者は二段階目の手続に参加できるのか。
Q.関連して、適格消費者団体連名の意見書で「一段階目の和解の手続・規律等についてガイドライン等でより明確にしていただくことを求めます」との要望についてはどのようにお考えか。
A.既に和解した消費者が二段階目の手続に参加できるかどうかは、既に和解をした内容如何にかかっている。その和解が今後一切事業者に対して請求はしないという一筆を入れているということであれば、これによって自らの権利は確定してしまっているので、二段階目の手続には参加できないことになる。
 一段階目の和解については難しい問題もある。重要なことは、消費者のためになる和解にしなければならないということだが、いわば和解は妥協の産物であり、どこまで妥協したら問題なのか、中途半端な和解というのはどんなものなのかなど、不適正な和解をどのように規律するかという難しさがある。現行の差止請求訴訟でも事前に適格消費者団体相互で通知しあうという規定を設けているが、この制度においても何らかの規律は必要であると考えており、差止請求のスキームなども参考にして検討していきたい。