申入れ・要請等
【2024年8月19日:掲載】
VICTORIA株式会社(セルフエステス「VICTORIA SELFESTE」)の「利用規約」、「マシンレンタル利用規約」及び「マシン利用規約」が改善されました。
消費者機構日本に対して、VICTORIA株式会社(東京都豊島区)が運営するセルフエステ「VICTORIA SELFESTE」の「利用規約」、「マシンレンタル利用規約」及び「マシン利用規約」について、事業者の責任を免除することや制限する規定があるとの情報提供がありました。そのため消費者機構日本は、株式会社VICTORIAに対して、規約の見直しについて申入等を行いました。その結果、一定の改善が図られたとことを公表いたします。
消費者機構日本が申入れた主な条項
申入れ・要請の趣旨・理由 | 規約(改定前・改定後) |
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【趣旨】 利用規約第8条2項の削除を求めます。 【理由】 利用契約については,準委任契約に該当するところ,準委任契約においては準委任者は原則としていつでも任意に契約を解除することが認められています(民法656条、651条1項)。 会員は消費者であることから、貴社と会員との契約については消費者契約法が適用になります。 そして、消費者契約法においては、消費者契約を解除した場合に当該消費者契約の解除に伴う損害賠償予定額又は違約金の定めは、それらの合算額について「当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える」部分は無効と定められております(消費者契約法第9条1号)。 ところが、貴社の利用規約においては「支払済みの利用料については,一切返金いたしません。」との記載があり,退会の時期にかかわらず、一切返還がない旨定められています。しかし、契約後比較的早期であれば、会員が退会したとしても、残余の期間の利用料全額に及ぶほどの平均的損害が貴社に生ずることはありません。 よって、本条項は、平均的損害を超えた損害賠償の予定または違約金の定めであり、消費者契約法第9条1号に該当する不当条項と考えますので、削除を求めます。 |
【改定前】 第8条(利用料)
【改定後】 第8条(利用料)
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【趣旨】 利用規約第10条2項第2文(下線部分)の削除を求めます。 【理由】 民法536条1項は当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは,債務者は,反対給付の履行を拒むことができると規定しています。天災地変等,貴社に帰責事由がない場合に,債務を履行することができなくなったときには,民法536条1項によれば,利用者は反対給付の履行を拒むことができるとされていることから,支払義務を負いません。貴社が体験利用の役務を提供できない場合に,消費者は体験利用契約を債務不履行により解除することができ,消費者が解除した場合に,既払金(支払った利用料金)があるのであれば,消費者は既払金の返還を求めることができます。 本条項は貴社に債務不履行等の帰責事由がある場合を除き,体験利用料金の返還を行わない旨規定しており,消費者の返還請求権を制限するものであり,消費者契約法10条の第一要件を満たします。また,利用者は体験利用ができなかったにも関わらず,一切返還が受けられないことから,信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項に該当するため,消費者契約法10条の第二要件を満たします。 よって,本条項は消費者契約法10条に抵触することから削除を求めます。 |
【改定前】 第10条(体験利用)
【改定後】 第10条(体験利用)
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※この他の条項は、添付のファイルをご参照ください。
今回の協議における当機構の申入等とVICTORIA株式会社の回答は別紙のとおりです。なお、改定後の「利用規約」、「マシンレンタル利用規約」及び「マシン利用規約(改定後は名称変更「マシン利用同意書」)は、2024年9月1日から使用するとの連絡がありました。