申入れ・要請等
【2023年7月3日:掲載】
(株)メルペイより、延滞事務手数料として徴収していた額の一部を、自主的に返金する旨の回答を受領しました。
返金対応の内容
(株)メルペイは、2022年3月まで、メルペイスマート払いに係る支払債務の延滞者より、延滞事務手数料として15日ごとに300円を徴収していました。これについて、延滞金額の14.6%を超える部分について、初回の300円の延滞事務手数料を控除したうえで返金する旨、当機構からの申し入れに対し、回答しました。
(株)メルペイにおいてすでに返金対応が一部開始されており、今後順次返金が実施される予定です。
経過
当機構に、(株)メルペイはメルペイスマート払いに係る延滞の額にかかわらず、延滞事務手数料として月に2回300円を徴収している旨の情報提供がありました。
当機構は、まず事実関係を確認するため、下記趣旨の問合せを行いました。
問合せ事項
- (1) 貴社が運用するメルペイスマート払いにおいて、徴収が停止されるまで、貴社が徴収していた延滞事務手数料は毎月1日、あるいは15日に1回300円という定額であり、取引額によっては、年率換算で14.6%を超える場合があったというのは、事実でしょうか。
- (2) 前記(1)が事実である場合、メルペイ利用規約の延滞事務手数料に関する条項は、消費者契約法第9条第2号、あるいは民法第90条に反して無効であると考えますが、貴社のお考えをおうかがいいたします。
この問い合わせに対し、下記趣旨の回答が示されました。
回答概要
- (1) 弊社が顧客から徴求していた延滞事務手数料は遅延損害金ではございませんので消費者契約法第9条第2号に反するものではないと考えますが、お客様の延滞にかかる利用残高によっては、これに対する延滞事務手数料の割合を年率換算すると14.6%を超える部分があったものと捉えております。
- (2) 延滞事務手数料については、あくまでお客様が延滞した際に生じる催告等にかかる事務手数料をあらかじめ一定額に定めたものであり、 (i)遅延損害金に該当しないことから消費者契約法第9条第2号に反するものではなく、また、(ii)その徴求により弊社が著しく過大な利益を得ることにはならないことから暴利行為に該当せず民法第90条に反するものではなく、メルペイ利用規約における延滞事務手数料に係る条項(但し、本書回答日現在においては当該条項は削除されております。)はご指摘の諸法令に反して無効となるものではないと考えております。
また、当該条項について無効であるか否かについて、見解は一致しなかったものの、協議を経て、(株)メルペイからは、既に同社が延滞事務手数料の定めを廃止したこと、及び、既存のお客様の費用負担軽減の観点から、15日ごとに300円を徴収していた延滞事務手数料について、延滞にかかる利用残高に対して14.6%を超える部分について、初回の300円の延滞事務手数料を控除したうえで返金する旨の回答がありました。
申入れと回答
当該条項が、消費者契約法第9条第2号に該当するか否か、また民法第90条に反する場合があるか、明確にするために、改めて当機構から添付の申入書を送付したところ、相手方代理人より添付の回答書を受領しました。
協議終了と意見の表明
この書面協議を経てもなお、(株)メルペイと当機構の間には、見解に隔たりがありますが、冒頭記載の内容にて、対象消費者に返還する旨の回答を評価し、協議をこれ以上続行することなく、見解の相違について意見を付し、協議を終了しました。(付記した意見は、下記リンク先書面を参照ください。)
当機構の見解、協議終了及び公表について【PDF 98.2KB】