申入れ・要請等
【2022年4月4日:掲載】
宮本製作所による「せんたくマグちゃん」等の返金対応についてのお知らせ
~未開封品がなくとも、返金対応される場合があります。~
2021年4月に消費者庁から出された優良誤認表示の措置命令を受けて、宮本製作所(以下、同社という。)では「せんたくマグちゃん」「ベビーマグちゃん」「ランドリーマグちゃん」3商品について、同社ウェブサイトで下表のように未開封品の返品などを条件として、返金案内をしていました。
この対応について、未開封品の返品に限定しての返金対応では不十分ではないかとの情報提供が当機構にありました。
当機構では、慎重に検討した結果、本件において優良誤認とされた表示内容は消費者契約法第4条第1項の不実告知に該当し、その効果に関する表示を真実のものとして誤認して購入したのであれば、未開封品がなくともその契約の取り消しを求めることはできると考えました。
そこで、下表のとおり要請したところ、同社からは、同社ウェブサイト表示にかかわらず、消費者契約法による取消権が認められる場合には返金に応じている旨の回答を得ましたので、公表いたします。
返金を求めたい方への助言
1. 同社ウェブサイトにて、未開封品の返品を条件としていましたが、未開封品が手元になくとも以下の(1)及び(2)の条件を満たせば、契約取り消しを主張することができ、返金対応される可能性が高いと考えます。
- (1) 優良誤認とされた表示内容(リンク先消費者庁措置命令 株式会社宮本製作所に対する景品表示法に基づく措置命令について (caa.go.jp) 参照)により、重要事項(製品の質、用途等であって契約の判断に通常影響するもの)について誤認し、当該商品を購入したこと。(参照 消費者契約法第4条第1項第1号及び同条第5項第1号)
- (2) 同社の製品を購入したことの事実を証明できること
購入時の領収書やレシート等で証明することが必要です。
※模倣品の購入でないことの証明について
同社は、製品に「製造者宮本製作所」との表示があっても、第3者が製造した模倣品が広く流通していると説明しています。その模倣品の返金について同社の責任を問うことはできないと考えられます。購入した商品が真に同社が製造したもの(以下、正規品という。)であることを証明するよう求められた場合には、下記のいずれかの証拠が必要と思われます。- ①模倣品の販売価格は、正規品に比べ安価に販売されていたとのことです。定価で購入した履歴が領収書やレシート等で確認できれば、正規品を購入したことの証明となりうると考えられます。(例:洗たくマグちゃんの販売価格 正規品1個1800円、模倣品2個2480円)
- ②商品パッケージ(開封済みでも可)~模倣品には表示の一部に不自然な漢字表記があるため、商品パッケージを提示すれば、同社は購入したものが模倣品か否か判断できるようです。
2. 権利の行使期間
今回の返金を求める行為は、消費者契約法第4条第1項を根拠としたものになります。同法の取消権の行使期間は、気づいた時から1年となります。消費者庁が本件についての措置命令を公表したのが、2021年4月27日ですので、2022年4月26日までに同社に返金を申し出れば、確実に行使期間内といえます。(「気づいた時から」については、個々で異なる場合があるため、あくまで、最短の場合の説明です。)
同社ウェブサイトの公表 | 当機構の要請事項 | 同社の回答の概要 |
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今回の措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいりますとともに、商品の返品・ご返金をご希望されるお客様につきましては、以下のとおり返金申込み期日のご案内をさせて頂きます。 ■ご返金申込み期日 (中略) ※2021年6月30日(水)迄とさせていただきます。 ■ご返品に基づく返金方法 (中略) ・返品条件 未開封の商品で、ご購入店及びご購入額が確認できる資料(クレジットカードの利用明細等も可)があるもの (以下、略) |
【要請の趣旨】 | |
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参照
消費者契約法
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
(二号以下、略)
(2項から4項略)
5. 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項(同項の場合にあっては、第三号に掲げるものを除く。)をいう。
一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容であって、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの
(二号以下、略)