申入れ・要請等
【2019年11月20日:掲載】
【2020年3月9日:更新】
株式会社常陽銀行によるカードローン規定の改定について
消費者機構日本は、2019年8月1日、(株)常陽銀行(以下「常陽銀行」)が無担保カードローン「キャッシュピット契約規定」で使用している「相続の開始があったときは、期限の利益を失ったとして相続人は被相続人の債務の全額を直ちに一括で返済する」旨の条項(以下「本件条項」(※))には、消費者契約法10条違反があるとして削除を求める申し入れを行いました。
(※)常陽銀行の本件条項とは「キャッシュピット契約規定」の第14条1項7号です。現行の本件条項は、正確には以下の記載内容となっています。
第14条(期限の利益喪失)
⒈ 借主について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、借主は銀行からの通知、催告がなくてもこの契約による債務全額について期限の利益を失い、直ちにこの契約による債務全額を支払うものとします。
(1)~(6)は記載省略
(7)相続の開始があったとき
回答
常陽銀行からは、8月27日付で以下の対応とするとの回答がありました。
- 「キャッシュピット契約規定」から、本件条項を削除する。
- 相続開始により直ちに期限の利益を喪失しない運用とする。
当機構の評価
常陽銀行は、「キャッシュピット契約規定」から、本件条項を削除することを決定しました。これにより、相続人は相続の開始のみを理由とした期限の利益の喪失はしないこととなり、遅延損害金の発生や保証会社から代位弁済を受けることもなくなりました。
常陽銀行は、帳票改訂等にかかる一定規模の費用負担や相続時の対応に伴う人的負担が発生するなか、当機構からの申し入れに迅速に対応された企業姿勢を当機構は評価します。
なお、常陽銀行は、本件条項を削除した「キャッシュピット契約規定」を2019年9月から使用しています。