消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

申入れ・要請等

株式会社三菱UFJ銀行によるカードローン規定の改定について

 消費者機構日本は、消費者からの情報提供を受け、各銀行が販売しているカードローン(無担保のもの)の規定における「相続の開始があったときは、期限の利益を失ったとして相続人は被相続人の債務の全額を直ちに一括で返済する」旨の条項(以下「本件条項」)は、消費者の利益を一方的に害する懸念がある旨を、2016年3月、関係各所に伝えたうえで面談を行いました。しかし、上記懸念の払拭には至らなかったため、同年11月、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」)に対して、本件条項(※)には消費者契約法10条違反があるとして削除を求める申し入れを行いました。

(※)三菱UFJ銀行の本件条項とは「カードローン バンクイック ローン規定」第12条1項7号です。現行(2018年12月25日まで)の本件条項は、正確には以下の記載内容となっています。

第12条(即時支払)

  1. 次の各号の事由が一つでも生じた場合には、当行からの通知、催告がなくても貸越元利金等の全額について弁済期が到来するものとし、借主は直ちに貸越元利金等を支払うものとします。

(1)~(6)は記載省略

(7)借主に相続の開始があったとき

協議結果

 三菱UFJ銀行からは、以下のとおり対応する旨の回答がありました。

当機構の評価

 三菱UFJ銀行が「カードローン バンクイック ローン規定」から本件条項を削除することを決定しました。本対応により、相続人は相続の開始のみを理由とした期限の利益の喪失はしないこととなり、遅延損害金の発生や保証会社から代位弁済を受けることもなくなりました。

 帳票改訂等にかかる一定規模の費用負担や相続時の対応に伴う人的負担が発生するなか、当機構からの申し入れに対応された三菱UFJの企業姿勢を当機構は評価します。

 なお、三菱UFJ銀行は、本年12月25日から、本件条項を削除した「カードローン バンクイック ローン規定」の使用を開始しています。