消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

申入れ・要請等

ハルズコーポレーション株式会社の「(ペット)販売契約書」及び「ワングループの生命保障 契約概要 利用規約」ついて改善が図られました。

 当機構は、ペットショップを経営するハルズコーポレーション株式会社(所在地:大阪市中央区)に対して、「販売契約書の条項の一部削除の申入れと要請及びWAN GROUPあんしん保障制度の一部改定の要請」を2016年5月31日付で送付し、販売契約書の中の「返品、返金、交換、及び金銭によります補償は出来ない」旨の削除の申入れとその他の要請を行いました。

 その結果、新たな「販売契約書(案)」及び「ワングループの生命保障 契約概要 利用規約(案)」について、販売契約書の中で見解が相違し更に改善の検討を要すると考える1点を除き、下記の「販売契約書」「ワングループの生命保障 契約概要 利用規約」の新旧対照表」の内容のとおり改善が図られました。

 なお、新たな販売契約書等の使用開始は2018年6月を予定しており、それまでの間については改善された内容で対応いただくことを確認しています。

主な改善点

1.販売契約書について

申し入れ事項 是正結果
「『返品、返金、交換、及び金銭に依ります補償』は出来ない」との規定の削除。 「『返品、返金、交換、及び金銭に依ります補償』は出来ない」との条項は残るが、但し書きとして「民法等の法令に基づく契約解除等の場合は除きます。」と明記
「当店が告知しなかった先天性疾患の保障は、当店の『あんしんプラン』ご加入者様はご契約日より90日間とし、未加入者様は14日間となります。」との規定の削除 「あんしんプラン」に加入していない場合の保証期間を契約日より3カ月とする趣旨に変更。
幼少時に判断のつきにくい症状を先天性疾患の保障の適応外とする旨の規定の削除。 「幼少時に判断のつきにくい症状」との文言は削除された。また、「飼育管理上重大な支障をきたす疾病」の場合は、保障の対象となる事となった。さらに、「飼育管理上重大な支障をきたす疾病には該当せず、保障適応外の場合であっても、その他の瑕疵担保責任まで否定するものではありません。」との文言が加わった。

2.ワングループの生命保障 契約概要・利用規約

申し入れ事項 是正結果
「契約解除に伴う保障料の返還はありません。」との規定の削除。 削除された。

これまでの交渉経過

 上記の申入書に対して、ハルズコーポレーション株式会社より2016年6月22日着で「回答書」並びに当機構より提供をお願いしておりました最新の販売時の書類一式(販売契約書等)の提供がありました。

 「回答書」の中では、申入れ事項について、「ただし、民法等法令に基づく契約解除等の場合は除きます」との文言が追加され、その他の要請事項についても要請の趣旨に沿った回答がされました。

 当機構では、上記「回答書」の評価を行うとともに、提供いただいた最新の「販売契約書」と「ワングループの生命保障 契約概要 利用規約」の内容を検討する中で、いくつかの点についてさらに改善が必要との判断に至り、2016年10月17日付で当機構の見解を含めた「再要請及び再申入書」を送付しました。

 上記「再要請及び再申入書」に対して、ハルズコーポレーション株式会社より2016年12月16日付で「回答書」及び回答に係る資料が届きました。

 当機構では、上記「回答書」及び関係資料の内容を検討する中で、先天性疾患保障に係る条項について、①認定方法を事業者指定の獣医師の診断に限定している点及び②同等類似品への変更に限るとする点について、再度当機構の見解に沿った改定を行っていただくよう2017年3月14日付で3回目の申入れを行いました。

 上記「再々度の要請及び申入れ書」に対して、ハルズコーポレーション株式会社より2017年4月24日付で「回答書」が届きました。

 「回答書」の主な内容は次のとおりでした。

  1. ①東京地裁の裁判例においても獣医を指定することは消費者契約法に抵触すると判断されていないため、条項の改訂は考えていないこと。
  2. ②同等類似品への変更はペットの場合でも適用されるというのが現状での当社の判断であり、当該条項を変更することまでは考えていないこと。

 当機構では、送付いただいた4月24日付「回答書」の内容及びこれまでの交渉の結果を整理し、見解の相違する事項も含め、ハルズコーポレーション株式会社との協議の到達点を確認するため、これまでの回答内容を踏まえて新しい「販売契約書」と「ワングループの生命保障 契約概要 利用規約」の改定案の提供を求め、2017年6月13日付で4回目の「要請及び申入れ書」を送付しました。

 上記「要請及び申入れ書(4)」に対して、ハルズコーポレーション株式会社より2017年8月18日付で「回答書」として、「販売契約書」と「ワングループの生命保障 契約概要 利用規約」の改定案が送付されました。

 当機構では、この各改定案の内容を点検し、見解の相違事項(①期間が契約後90日以内に発見・請求されるものに限っていること、②認定方法を事業者指定の獣医師の診断に限定している点及び③同等類似品への変更に限るとする点)は残るものの、それ以外については概ね当機構の申入れ、要請事項が反映されていると判断し、見解の相違点については付記意見として意見表明した上で、協議を終了することとしました。

3回目までの申入れと回答内容の状況

 これまで当機構から行った申入れ等の内容と、ハルズコーポレーション株式会社から送付された回答書の内容はこちらをご覧ください。

「販売契約書」と「ワングループの生命保障 契約概要 利用規約」の改善状況