消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

申入れ・要請等

品川美容外科(医療法人社団翔友会)から回答が来ました。
同回答に対する当機構の考え方の説明と再度の問い合わせをしました。

 既にお知らせいたしましたように、当機構は、「品川美容外科」を経営している医療法人社団翔友会(代表者 綿引 一)(以下「当該法人」という。)に対し、以下の3点について、申し入れました。

  1. フェイスリフト(フェザーリフト,ロイヤルリフト,フェイスアップ)について、つり上げ,たるみ解消等の効果が強調されている表示の削除
  2. BMC(Beauty Members Club)会員は,料金が非会員価格に比して20%OFFになるとする表示をやめること
  3. 退去妨害行為をやめること

また、以下の4点について各その意味内容について問い合わせをいたしました。

  1. 症例実績について
  2. 安心保障制度について
  3. ロイヤルリフト,フェイスアップの「切らない」との表現について
  4. 「当院独自」「世界レベル」との表現について

 この申入れ及び問合せに対し、医療法人社団翔友会代理人から2014年10月27日付の受任通知がまず寄せられ、次いで2014年11月20日付の回答が寄せられました。

 上記回答では、当機構が申し入れた「第1.フェイスリフト(フェザーリフト,ロイヤルリフト,フェイスアップ)について、つり上げ,たるみ解消等の効果が強調されている表示の削除」について、当機構に対し、2014年12月15日までに医学的に根拠のないことを証明するよう求める内容があったことから、当機構は、2014年12月12日付「ご連絡」で申入れの趣旨及び考え方を再度説明し、2014年12月17日開催の理事会で上記各回答を検討のうえ、2014年12月25日付「平成26年11月20日付「連絡書」に対する当機構の考え方及び再問合せ」で、当該法人に対し、当機構の考え方を説明し再度の問合せを行いました。

 上記回答の概要及び当機構の考え方と再度の問合せの内容の概要は以下のとおりです(詳細は、上記全文をご覧ください。)。

1.フェイスリフト(フェザーリフト,ロイヤルリフト,フェイスアップ)について、つり上げ,たるみ解消等の効果が強調されている表示の削除について

(医療法人社団翔友会からの回答)

 削除しない。優良誤認表示ではない。

 施術の材料に関する説明、施術方法に関する説明、コラーゲンができることの説明のほか、医学文献に記載されているものであり、医学上の根拠がないというのであれば、根拠がないことの証拠を求める。

(当機構の考え方)

 景品表示法の「表示内容を全体として見て,一般消費者の観点から実際のものよりも著しく優良であるとの誤認を生じさせる可能性があるか否か」との判断基準に照らし,当機構は,平成26年10月8日付「申入れ及び問合せ」(以下「申入れ」と謂う。)の「申入れ事項」として特定した「フェザーリフト」,「ロイヤルリフト」,「フェイスアップ」の3点に関する貴法人の表示内容は,優良誤認表示に該当する可能性が高いと考えています。

2.BMC(Beauty Members Club)会員は,料金が非会員価格に比して20%OFFになるとする表示をやめること

(医療法人社団翔友会からの回答)

 制度を変更する方向で検討する。

 決定次第連絡する。

(再度の問合せの内容)

 いつ頃を目途に変更されるのか、変更予定時期について問い合わせました。

3.退去妨害行為をやめることについて

(医療法人社団翔友会からの回答)

 退去妨害はしたことがない。

 従来から退去妨害をしたことはないのであるから、従来通り退去させない行為は行わない。

(再度の問合せの内容)

 「退去妨害行為」に関する逐条解説及び裁判例の解釈を示し、再度この解釈に照らしても退去妨害行為をしたことがないのかどうかを確認する意味で再度問い合わせました。

4.ホームページに掲載されている症例数やリピート率の根拠について

(医療法人社団翔友会からの回答)

 客観的データが何を想定しているか不明であるが、診療録などの院内資料はある。

(再度の問合せの内容)

 当該法人が自ら当該法人のホームページ上に掲載されている数字の根拠となった資料は何か,ということを問い合わせる趣旨ですので,その根拠となった資料をご提供いただくよう、再度問い合わせました。

5.安心保障制度の実際について

(医療法人社団翔友会からの回答)

 要件を満たした者については、原則として全患者に適用している。

 調査をする要は認めない。

(再度の問合せの内容)

 「再施術が必要と医師が診断した場合」,「客観的に見て効果が全く認められないなど,当院医師の診察により再治療が可能と判断した場合」の判断基準の有無、ある場合にはその基準の内容について問い合わせました。

 また、「安心保障制度」という名称について、その実際の内容は「無料再治療制度」であることから、再治療を無料でする制度であることがわかる名称とされる意思があるかどうかについて見解を求めました。

6.切らないとの表記の意味について

(医療法人社団翔友会からの回答)

 切開しないという意味。医師の事前説明において「針で」「注射様のもので」「糸・繊維」を「注入・挿入する」、「針と糸で衣類を縫うように」施術されることを説明しており、出血しないと理解する消費者はいないと思われる。

(再度の問合せの内容)

 一般に,「注入」とは液状のものを注ぎ入れることを意味する文言であり,この表現に接する消費者は,注射程度の施術と認識するのが通常であると思われ、「溶ける繊維を注入するだけ!」「切らない(手術不要)」「簡単な処置のみで,もちろんメスを使いません。手術不要です!」という表現についても、当機構2014年10月8日付申入れ及び問合せに添付した論文では,局所麻酔を施したうえで,針と糸で衣類を縫うような施術についても「手術」という文言が用いられており,貴法人の手術不要という表現も問題があると考えています。

 そこで、ホームページ上に,「針と糸で衣類を縫うように」施術されることが記載されていない点,及び,手術不要と表示している点について,見解を求めました。

7.当院独自との表記の意味について

(医療法人社団翔友会からの回答)

 特注の糸、吸収性の糸の使用など、多岐にわたる。

 「世界レベル」についてはやや表現が過大という判断に基づき削除する。

(再度の問合せの内容)

 当院独自の意味については一定程度お答えをいただきましたが,その施術方法が有効であることについてどのような医学的な根拠があるのかについてはお答えいただいておりませんので,再度回答を求めました。