イベント等
第22回 通常総会記念企画(テーマ:事業者との協働) 開催報告
- 1.日時
- 2026年6月11日(木) 18時30分~20時00分
- 2.会場
- 主婦会館プラザエフ 3階ソレイユ
- 3.参加者
- 75名(会場参加者29名、オンライン参加者46名)
- 4.テーマ
- 適格消費団体と事業者との協働に向けた課題
- 5.プログラム
- 進行 消費者機構日本(COJ) 理事長 多村 孝子
論点整理 消費者機構日本(COJ) 専務理事 板谷 伸彦- 報告①「双方向コミュニケーション研究会」の経過と課題
消費者支援機構関西(KC’s)副理事長 片山 登志子氏 - 報告② 中古車買取業界の健全化に向けた取り組みから
消費者機構日本副理事長・日本消費者協会理事長 村 千鶴子氏
会場討論 論点① 事業者の「心理的ハードル」について
まとめ 消費者機構日本(COJ) 会長 後藤 巻則
論点② いわゆる「アウトサイダー問題」について
論点③ いわゆる「お墨付き化」の懸念について - 報告①「双方向コミュニケーション研究会」の経過と課題
1.論点整理 /COJ 板谷専務理事
「消費者団体訴訟制度が機能する連携構築」をここ数年の重点としており、今回のシンポでは特に業界団体と適格消費者団体との連携をテーマとして取り上げる。対話・連携にあたっては双方から期待と懸念がある。期待も多い一方で、業界団体側からみると「差止請求につながる恐れ」、適格消費者団体側からみると「お墨付きにつながる恐れ」といった懸念もあると考えられる。
本日は、適格消費者団体側の取組みとしてKC’sの双方向コミュニケーション研究会の実践事例をご紹介いただく。次に、事業者団体側の取組み事例として中古車買取業界での取組みをご報告いただく。その上で、いくつかの論点についてディスカッションしていただきたい。
2.報告① 「双方向コミュニケーション研究会」の経過と課題 /KC’s 片山副理事長
消費者被害のない安心・安全で良質な市場を実現することは事業者と消費者の共通目標である。そうであれば、事業者と消費者は敵対・対立する関係ではなく、共通目標の達成に向けて協働する関係を築いていくことが必要である。そのための手段としてコミュニケーションの場を設けることが重要であり、2010年に双方向コミュニケーション研究会を始めた。事業者と消費者が、それぞれどのような現状の中で事業活動・消費生活を送っているかに気づき、そのうえで安心・安全な市場をつくるために行動変容を促すことが基本的な目的である。2020年~2025年の活動内容については、KC’sのウェブサイトで「双方向コミュニケーションまとめ冊子」として公開しているのでご覧いただきたい。
この取り組みの成果として、事業者からは「ありのままの消費者の生活実態や意見に触れる機会となり、グループ討論で多くの気づきが得られた」という声が毎年寄せられる。消費者視点の商品・サービス提供に向けた行動変容につなげ、社内に広げる活動をしている事業者もある。
消費者側も、事業者と対面で意見交換することで、事業者がどのような意識や技術を持ち、どのような商慣習や課題に向き合っているかを知ることができる。事業者は単に利益追求しているのではなく、環境問題や食品ロスなど、業界ごとの課題に悩みながら取り組んでいることを理解するようになった。これを知ることで、消費者自身も行動変容を考えるようになり、「誠実に取り組む事業者を選び応援したい」という声が多く上がるようになった。
私の感想としては、双方向コミュニケーションは新たな市場ルールや商慣習を生み出し得ると考えている。これは長年参加してきた消費者・事業者双方の共通の実感である。今後の展望としては、参加者をさらに拡大し、KC’sだけでなく全国の適格消費者団体にも同様の双方向の意見交換の場を広げていただきたいと考えている。一方で、適格消費者団体の活動や差止請求の理念・手順が、消費者にも事業者にも十分理解されていない。適格消費者団体の活動を広く知っていただくことも今後の課題である。
適格消費者団体と事業者・事業者団体との相互理解と信頼を構築することが不可欠であり、それによってコミュニケーションの質が高まり、協働関係が見えてくる。そのためには、事業者の参加拡大に向けて適格消費者団体への信頼が必要である。また、真の双方向コミュニケーションを実現するには、消費者と事業者がいきなり対面で討論してもうまくいかない。テーマ設定や仲介役が必要であり、それを担えるのは適格消費者団体である。場を設定し、場への信頼を構築することが喫緊の課題である。最終的には、双方向コミュニケーションを単に適格消費者団体の活動にとどめず、パラダイムシフトの議論の中で社会システムとして位置づけていきたい。
3.報告② 中古車買取業界の健全化に向けた取り組みから /日本消費者協会 村理事長
日本自動車購入協会(JPUC)は2014年に設立された。そこに私が理事として関わることになったのは、訪問購入の規制対象を議論する検討会の座長を務めていたことがきっかけである。
当時、訪問購入によるトラブルが多発したため、貴金属等の買取について法律規制が必要だとして2010年頃に消費者庁に検討会が設けられ、私が座長を務めることになった。法律には「すべての物品が訪問購入の規制対象」と書かれているが、規制対象にすべきでないものについては政令で除外することになり、自家用自動車(四輪車)は適用除外となった。この政令を定めるにあたり、各方面からは「問題の巣窟のような自動車買取業界をなぜ適用除外にするのか」と批判が殺到し、審議会は荒れに荒れたが、経済産業省から「これは3年間の執行猶予である。3年間の間に被害が増えるようであれば、適用除外から外しても構わない」との説明がなされ了解された経過がある。
このことが業界健全化に向けた取り組みを促すことになる。その後JPUC設立に奔走した人物から、当時の中古車買取業界についての危機感と、他社の説得や社内からの反発など、苦労話を聞いていた。JPUCを設立して最初に取り組んだのはモデル約款の作成である。これを作るために毎月理事会を開催し、半日かけて議論した。そんな理事会を10数年続けてきている。理事会のほかに部会もあり、部会ごとに毎月会合がある。非常に大きな労力をかけて取り組んできたのが実態である。その成果として、業界全体は本当に良くなったと思う。今や中古自動車買取会社の90%以上がJPUCに加盟しており、苦情は本当に少なくなった。
ただし、こうした努力で成果が上がったとしても、それが今後も続いていくとは限らない。中古車が儲かるとなると異業種からの新規参入もあり、行儀の悪いことをする業者が現れるものだ。JPUCは消費者相談窓口も運営しているが、ここは会員企業に関する相談に限らず、会員外(アウトサイダー)に関する苦情も受け付けている。会員への苦情であれば事務局が当該会社を指導し解決させるが、アウトサイダーに対する苦情・相談に対しては、相談者への助言にとどまり、業者に対する指導はできない。独禁法違反になるため指導する訳にはいかないからだ。この相談窓口で受付ける案件の70~80%がアウトサイダーに関する案件である。従業員の入れ替わりが激しい業界であり、会員企業の苦情もゼロにはならないが、圧倒的に多いのはアウトサイダーであり、なんとかしたいが独禁法が壁になっている。これがここ数年のJPUCの悩みである。
そのような状況もあり、適格消費者団体との連携には期待感が強い。ソフトロー(モデル約款・倫理綱領・行動基準)はアウトサイダーには効果がない。アウトサイダー対応には法規制が必要である。しかし行政はキャパシティの問題があり、すべてに対応できない。そうした部分を適格消費者団体に担ってもらえないかという議論がJPUCで行われている。
4.会場討論 /〇司会(COJ 多村理事長)、●会場発言
〇冒頭の論点整理で、事業者側の抱く心理的ハードルの指摘があった。この点についてお考えをお聞かせいただければと思う。
●永沢裕美子氏(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)、COJ理事):
過去、消費者団体と事業者は対立関係として捉えられることがあり、昔は消費者団体の中にも企業を「悪」とみなすような考え方があったことも事実である。しかし、状況は大きく変わってきている。NACSは多くの企業に賛助いただいているが、創立当初は「主務官庁の紹介で入会した」という企業が多かったそうだが、最近は、消費者が何を考え、何を求めているのかを知りたい。自分たちの考えを正しく伝えたいのでリエゾン役をNACSに期待するといった理由で入会を希望される企業が増えている。
企業にとっても持続可能性が重要な課題となっており、リスクを早期に察知し対応することが求められている。金融庁が進める情報開示でも、重要リスクの特定と、それに経営者がどう取り組んでいるかの説明が強く求められている。企業にとっても、消費者の声を正しく捉えること、市場を正しく理解することが不可欠となっている。業界団体や事業者の方々と話していて、消費者との対話の必要性や重要性を強く認識されていると感じる。
消費者団体との対話を求める動機としては、「レピュテーションリスクを下げるため」、「規制強化を避けるため」というところもあるが、新しいサービスを育て、消費者から信頼され、市場で勝ち残るために何が必要かを真剣に考える企業も多い。賛助くださる企業がNACSに期待されることは主に二つある。一つは、消費者やその代表者との意見交換。もう一つは、消費者啓発・教育の教材を中立的な立場で消費者目線で作成してほしいというご依頼である。最近では、企業名を出さずにという注文をされる企業もあるくらいだ。消費者が情報の中立性や公正性に敏感になっており、企業名が表に出ると消費者は警戒し、同じ情報なのに受け入れられにくくなるということがあるためだ。また、消費者団体の視点は企業とは異なる。同じ内容でも消費者にへの伝え方は異なる。こうした理由からNACSに消費者啓発や教育教材の開発を依頼されることが増えている。以前は「お金を出しているのだから、こう書いてほしい」と要求する企業もあったが、今はそうした姿勢は恥ずべきという風潮になっている。特にグローバル企業では公共政策部門が営業部門とは独立しており対応が成熟してきている。日本企業でも同様の動きが見られる。
企業の消費者団体へのイメージは大きく変わってきていると思うが、「心理的ハードル」の指摘は確かにその通りである。中でも適格消費者団体には「訴える団体」というイメージがつきまとうのは仕方ないところがある。COJが裁判で勝訴した事例がメディアで報道されることも増えていることもあって、世間の認知度が高まっている。事業者側に「訴訟されてレピュテーションを落としたくない」、「名前を出されたくない」と警戒する気持ちがあって当然だ。しかし、一方で、私がCOJの活動に参加して強く感じたのは、世の中には不当な約款が非常に多く存在しており、それらが放置されているという現実である。約款を隅々まで読む消費者は実際にはほとんどいない。だからこそ、誰かが是正していく必要があり、それが適格消費者団体の役割である。約款を適正化し、取引を公正なものにすることは、真っ当に事業を営んでいる企業にとっても大きなメリットであることを理解してもらう、そんな取り組みを適格消費者団体としては進めていかなければならない。商習慣に限らず、例えば医大の受験における不当な差別など、世の中には不公正な慣習がまだ多く存在する。これらを正していく役割が適格消費者団体にはあり、全国の適格消費者団体が連携し、事業者団体や企業に適格消費者団体の活動に対する理解を広げていくことが重要である。
●片山登志子氏(報告者):
双方向コミュニケーション研究会も最初はなかなか参加してもらえなかった。しかし、一度参加した事業者が別の事業者に「一緒に行こう」と声をかけてくれる。参加することで、それが事業活動にプラスになるという実感と、消費者の視点や社会が求めるものに近づけたという手応えを感じてもらえているのだと思う。
「双方向コミュニケーション」の魅力は、他の場では得られない「気づき」にある。多くの企業は、消費者団体とのヒアリングや懇談会などを経験しているが、この研究会では、子育て世代の母親や視覚障害のある方など、日常の困りごとを抱える一般の消費者が「いつもこう思っているのですが、なぜ改善されないのでしょう」と率直に質問する。グループ討論では、そうした素朴な疑問が次々に出てくる。その中で、事業者同士も新たな気づきを得るし、消費者側も「そうだったのか」と知らなかった事業者や市場の悩みや課題を知る。双方とも気づく楽しさがあり、そこからもっと知りたいという意欲が湧いてくる。そうした場を設定していただくことが大切だと思っている。
ただし、反省点もある。適格消費者団体に近づくと「一方的に何かを非難されるのではないか」と感じ参加に消極的になる企業もある。私たちは、参加者に対して「ここは相手を批判する場ではない」、「互いをリスペクトし、実情を知り、自分の意見を述べる場である」と繰り返し伝えるようにしている。そのため、各グループ討論では必ずKC’sのメンバーや双方向コミュニケーションを経験してきた者がファシリテーターとして入り、事業者の皆さんが安心して実情を話せる環境を整えている。こうした場作りを丁寧に行い、「安心して参加できる場」であることを理解していただいた上で、事業者に参加をお願いしている。
〇双方向コミュニケーション研究会の魅力が本当に伝わってきた。これをさらに広げていけるよう、皆さまとともに取り組みを進めていきたい。
次の論点として、村先生の報告の中で課題として挙げられたアウトサイダーの問題について取り上げる。独占禁止法との関係もあり業界として強く関与できないという点は、非常に難しい課題だと思う。この点について、何か良い方向性が見いだせないか。
●宮城 朗氏(弁護士、COJ理事):
いわゆる「ソフトロー」がどの程度有効に機能するかということについて、消費者問題に携わる弁護士の立場からは一般的にはやや懐疑的に見ている人の方が多いように思う。もちろん競争法的な理念からすれば、消費者と事業者の利害は、本来は大きく対立するものではなく、むしろ一致すべきものだと理解している。しかし、現実の世界では、局面によっては双方の利害が対立し、個々の消費者の利益を犠牲にして商業的利潤を追求するような不当な商慣行が行われる事例が多数存在することも紛れもない事実である。これは本来の理念から外れた現象であり、どう対処するかが問題になる。
仮に特定業界内の相当割合の事業者間の申し合わせによってソフトローが形成されたとしても、その取り決めに従おうとしないアウトサイダーの問題については、直ちに解決しないこととなる。むしろ、ソフトローを遵守して操業するまともな事業者の方が、正直者が馬鹿を見るということになり、従わない悪質事業者の方が不当な利潤をあげるという形になりかねない。そうすると、最早、ソフトローが有効に機能することは期待できない。
どの業界にも「最初から悪質なことをしよう」という確信犯的ないわゆる「極悪層」の事業者が一定数存在するのは避けられない。そうした事業者に対しては、村先生がおっしゃる通り強制力とペナルティを伴う「ハードロー」による規制が必要だと思う。
ただし、ソフトローが全く無意味かというと、そうではない。村先生の話にあったように、志のある事業者が業界の中に存在し、その方々が努力してくださることにより、業界全体の水準が引き上げられる。ガイドラインやモデル約款のような「良い事業活動の基準」が整備される動きが広がれば、徐々にそれが当たり前だという社会通念を形成し、逆にアウトロー的な事業者の悪質性が浮き彫りにされるという効果がある。その結果、行政や私たちが対応すべき対象がより明確になり、全体として有効なシステムになるのではないかと感じている。そうした意味でも、ぜひ今後もこのような取組みを進めていただきたいと思う。
●村千鶴子氏(報告者):
JPUCでは、「モデル約款」「倫理綱領」「行動基準」などさまざまなルールを作成しているが、これらは「法律は最低ラインである」という考え方に基づき、法律よりも高いレベルの基準を設定しており、ソフトローに近い性質を持っている。
例えば、消費生活センターに企業に対する苦情が寄せられた場合、それが「倫理綱領違反」や「行動基準違反」に該当すれば、事務局から企業に対して基準に照らして適切に対応するよう指導する。企業はその指導に基づき対応し、問題を解決するという仕組みを機能させている。
また、これらのルールに違反し、指導しても改善しない場合の処分制度も設け、利害関係のない弁護士や消費生活相談員などを委員とする第三者委員会を設置して運用している。
さらに、ソフトローを作って企業が努力しても、外部からはその取組みが見えにくく、消費者が「良い企業」を選びにくいという課題がある。そこで、数年前から「適正買取店認定マーク」という制度を始めた(図参照)。これは、ソフトローを遵守している業者であることを示すマークである。この認定を受けた企業は、モデル約款やホームページなどにこのマークを表示できる。消費者は、このマークのある業者を選べばトラブルが起きにくいという仕組みになっている。
このように、ソフトローを機能させる重要なポイントは、消費者に対して可視化することである。業界全体が健全に発展するためには、ソフトローは非常に重要な役割を果たす。法律はあくまで最低ラインであり、「最低ラインを守ればよい」という発想では業界は良くならない。これはJPUC(ジェイパック)の基本的な考え方でもある。
ただし、アウトサイダーはそもそも法律すら守らないため、何とかしてもらわないと困る。特に、中古自動車の買取は特商法の訪問購入規制の対象外であり、特商法違反があっても行政もCOJも動きにくい状況がある。だからこそ、ソフトローを整備して努力している企業にとっても最低限の法規制は本来必要である。それにもかかわらず、立法の議論になると産業界は「規制反対」と言いがちで、なぜそこまで反対するか理解し難いところがある。
〇冒頭の論点整理で、消費者団体側の懸念として「お墨付き」のような効果が生じる懸念もあるのではないかという指摘があった。最後の論点としてこの点についてご発言をいただければと思う。
●鈴木敦士氏(弁護士、COJ理事):
例えばCOJがある業界団体のソフトローづくりに関与したとして、その団体の加盟業者に対して別の適格消費者団体が差止めをした場合に、「COJはこう言っていたではないか。何とかしてほしい」という苦情があり得るのではないかという問題である。しかし、そもそもソフトローを作ろうとするのは一定のリテラシーを持つ業界である。制度上、ソフトローで定めた内容で直ちに法的効果が生じることは、現時点では想定されていない。したがって、ソフトローはあくまで自主的な基準であり、法的拘束力はないという点をきちんと説明しておけば理解してもらえるはずである。
もう一つの問題は、消費者側が「適格消費者団体の関与したソフトローを持っている業界団体の加盟業者なら良い業者だろう」と思ってしまうこと。実際には、ソフトローに十分でないところがあっても消費者が分からないという問題がある。ただし、先ほどの認定制度の話にもあったように、業界を良くしたい意志があり、一定の水準のルールが作られるのであれば、消費者が悪徳業者とそうでない業者を区別する目安になるというメリットがある。そもそも悪徳業者だと知っていて契約する消費者はいない。それが分からないから契約してしまう。その意味で、一定のルールを守る業者が可視化され、業界全体の底上げにつながることには大きな価値がある。
そのルールづくりが「大人の事情」で適格消費者団体側の理想どおりにいかないこともある。その結果として、場合によってルールが十分でないかもしれない。そこは、メリット(一定の水準を守っている業者が増え可視化される)・デメリット(不十分な点があるが消費者が気づかない)を比較衡量してメリットの方が上回るように努力するしかない。一定水準の基準ができ、それが広まれば、業界全体の健全化が進み、基準を守っている事業者の認定制度も機能し、消費者がアウトサイダーとそうでない事業者を区別できるようになる。そうしたメリットが得られる水準を目指して取組むことが重要であり、その意味では覚悟を持って進めるしかないと考えている。
〇最後に会長からまとめの発言をお願いしたい。
●後藤巻則氏(COJ会長):
私自身、どうしても「トラブル」や「対立」という側面に目が向きがちで、事業者と消費者は本質的に対立する関係にあると考えてしまうところがあった。しかし、今日のお二人のご報告をお聴きして、消費者と事業者が相互に理解し、信頼を築くことの重要性を改めて実感した。また、消費者と事業者の双方が抱える課題に気づき合うことの大切さも教えていただき、視野が開けた思いがしている。
健全な市場をつくるためには、消費者と事業者が協力して取り組むことが不可欠である。その意味で、「相互理解と信頼」は決してきれいごとではなく、むしろそれをしっかり理解、認識、実践していくことこそが重要であると強く感じた。
