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第14回消費者志向経営セミナーが開催されました!
消費者・生活者が主役となる社会の実現に向け、消費者行政の司令塔の役割を発揮すべく消費者庁が発足して3年目を迎え、消費者庁は、今国会にはじめて3つの法案の提出を予定しています。いずれも消費者庁発足以来の懸案を具体化したものであり、消費者行政の新たな展開につながる重要な法案です。
これを受け、第14回消費者志向経営セミナーは、今国会で消費者行政はどう変わるのか、その要点を立法担当者からつぶさに聴き、併せて、消費者法制整備の今日的意味合いについて理解を広げ、事業者の皆様の消費者志向経営の推進に寄与することを目的に開催しました。
以下にその開催概要を報告します。なお、今回のセミナーは(社)消費者関連専門家会議(ACAP)の後援を得て開催しました。
1.日 時 2012年3月28日(水)13:20~17:00
2.会 場 主婦会館プラザエフ5階会議室
3.テーマ 消費者法制の整備と消費者・事業者のWin-Win関係の発展
4.参加者数 45名(ゲスト参加者を含む)
5.セミナー次第
- 13:20~13:25
- 開会挨拶 消費者機構日本 専務理事 磯辺 浩一
- 13:25~14:15(報告35、質疑15分)
- 報告1 消費者安全法の一部を改正する法律案(1)
「消費者事故等の調査体制(「消費者安全調査委員会」仮称)の整備について」
消費者庁 消費者安全課 課長補佐 黒木理恵 様 - 14:15~14:50(報告25分、質疑10分)
- 報告2 消費者安全法の一部を改正する法律案(2)
「財産に対する重大な被害の発生・拡大防止のための行政措置について」
消費者庁 消費者制度課 課長補佐 佐川聡洋(あきひろ) 様 - 14:50~15:00≪休憩≫
- 15:00~15:40(報告25分、質疑15分)
- 報告3 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案
「貴金属等の訪問買取に係るトラブルの法的措置について」
消費者庁 取引対策課 課長補佐 伊藤香織(かおり) 様 - 15:40~16:20(報告30分、質疑10分)
- 報告4 集団的消費者被害回復に係る訴訟手続に関する法律案(仮称)
消費者庁 消費者制度課 課長補佐 鈴木敦士 様 - 16:20~16:55(講演30分、質疑5分)
- 講演 「消費者法制の整備と消費者・事業者のWin-Win関係の発展」
一橋大学大学院 教授 松本恒雄 様 - 16:55~17:00
- 閉会挨拶 消費者機構日本 専務理事 磯辺 浩一
6.運営のまとめ
消費者庁の各法律案についてのご報告は、立法の背景や経過、法案の要点について、実例を交えたり、該当法文(場合により「骨子」案)を示しながら簡潔にご説明いただきました。また、今回の運営上の特徴は、たっぷりと質疑応答の時間を確保した点にありますが、全てのご報告について、具体的な事例に即した質問が出され、ご報告者の丁寧な回答によって、参加者の実践的理解が大いに促進されました。
また、松本先生からは、消費者政策手法の多様化のプロセスと消費者庁設置の背景・実態を振り返りながら、消費者政策の今日的課題がソフトローの活用にあり、今回の消費者法制の整備もその文脈に位置付けられること、また、JIS化されたISO26000では、企業(組織)の社会的責任として消費者課題が掲げられていること等を踏まえ、消費者と事業者のwin-win関係の実現(対立型から協働型への転換)が求められていること等を、たいへんわかりやすくご講演いただきました。
以上によって、第14回消費者志向経営セミナーの初期の開催目的は十分に達成されたと思われます。