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金融先物取引法の改正ポイントを学習
~第1回公開学習会報告~
消費者機構日本では、第1回の公開学習会として、「金融先物取引法改正と外国為替証拠金取引被害」と題した講演会を、弁護士の石戸谷豊さん(前日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員長)を講師に迎え、開催しました。(開催日時:2005年1月24日、会場:主婦会館プラザエフ5階会議室)
当日は、消費生活コンサルタント、消費生活アドバイザー、消費生活相談員、司法書士、弁護士など63名の方々に参加いただきました。
講演では、まず、昨年の臨時国会で改正された金融先物取引法(以下、改正金先法と表記)について、相対取引である外国為替証拠金取引について、どのような条文改正で、金融先物取引法の対象に加えられたかが解説されました。
そして、広告規制、勧誘規制、適合性原則、説明義務といった点がどのような規制になっているかについて、改正金先法と、昨年通常国会で改正された商品取引所法(以下、改正商取法と表記)を比較しながら紹介されました。その概要は以下のとおりです。
広告規制について
広告規制については、改正商取法には規定がなく、日本商品先物取引協会による自主規制にとどまっており、法的規制が必要である。一方、改正金先法では、第68条において「広告において表示すべき事項」が定められ、取引の損失額が委託顧客が預託する証拠金などの保証金の額を上回るおそれがあることを表示しなければならない旨規定されている。また第69条では、利益の見込みなどについて著しく事実に相違する表示をすることなどを禁止している。
勧誘規制について
改正金先法の第76条では、禁止行為があげられており、その中に「勧誘の要請をしていない一般顧客に対し、訪問し又は電話をかけて、受託契約等の締結を勧誘すること」があげられ、いわゆる不招請勧誘の禁止が規定された。ただし、第76条では、「内閣府令で定めるものを除く」旨の規定があり、内閣府令の内容がどのようなものになるか注視が必要である。
適合性原則について
改正金先法第77条と、改正商取法第215条で、それぞれ「顧客知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる」勧誘を行なって顧客の保護に欠けないよう、業務を行なわなければならない旨の規定がある。本来、金融先物・商品先物といった取引は、プロの投資家以外には不向きなものであるとの基本認識が、産業構造審議会の中間報告「商品先物市場制度の改革について」や、オプション取引に関する判例でも確認されてきており、実効性のある適合性原則の運用が求められる。
説明義務について
書面交付義務と説明義務が改正金先法では第70条に、改正商取法では第217条と第218条においてそれぞれ規定されている。なお、改正商取法第217条3項では、書面に記載しなければならない項目(これは説明義務の内容にもなる)について、政令で加えることができることになっているが、実際にはこの項目に対応した政令は出されておらず、問題である。
最後に、今回の金融先物取引法の改正では、行為規制だけではなく、登録・純資産要件など業務全般が監督対象となっていることから、外国為替証拠金取引を行なっている独立系事業者へのインパクトは大きくなるであろうとの見通しがしめされました。
また、改正金先法の政省令等に関するパブリックコメントが春ごろに求められる予定であり、特に勧誘規制の除外がどのように提案されるかが重要なポイントであることが説明され、多数の意見提出が呼びかけられました。
以上