賛助会員の活動紹介

大学生協の社会貢献活動のご紹介

 消費者機構日本(COJ)では、賛助会員としてご支援いただいている団体・企業の皆様の社会貢献活動について、順次ご紹介させていただいております。

 今回は、全国大学生活協同組合連合会様から大学生協の活動状況について寄稿いただきました。

大学生協とは

 大学生協は大学の構成員(学生・院生・教職員)を組合員とする生活協同組合です。全国に約220の大学生協があり、150万人を越える組合員がいます。キャンパスで食堂事業、購買・書籍事業を行い、大学の福利厚生の一端を担っています。

 さらに、組合員自らが出資者であり運営者、利用者であることから、店舗運営だけでなく様々な自主的活動を展開しています。学生、院生、教職員が一緒になって、いろいろな取り組みをすすめ、学生の成長につなげています。それらには、仲間づくり支援、学生の“学びと成長”支援、キャリア形成支援、就職活動支援などがあげられます。

社会とつながる大学生協

 大学生協には、「協同・協力・自立・参加」をキーワードにした4つの使命があります。そのうち、「魅力ある事業として組合員の『参加』を活発にし、協同体験を広めて、人と地球にやさしい持続可能な社会を実現する」使命の実現を目指し、「環境」や「平和」「国際」「防災」「消費者活動」などをテーマに様々な活動を行っています。

 これらの活動を私たちが生きる社会の動きとのつながりで捉え、大学生協の活動を社会に発信していくため、また組合員が社会に目を向けるきっかけとなる学習資料として、「社会とつながるガイドブック」を作成しています。

1.平和について、知り、知らせ、一緒に考える

 毎年、広島、長崎、沖縄で「Peace Now(ピースナウ)」というフィールドワークを中心とした戦争や被爆の実相を学び考える取り組みを行っています。各地域でも身近な戦跡をめぐり、平和について話し合うことをすすめています。大学と協力してキャンパスに被爆アオギリ2世を植樹する活動をしている大学生協もあります。

2.人と地球に優しい持続可能な社会をめざして

 大学や学内サークルなどと協力して、多くの組合員に環境活動への参加を呼びかけています。

 店舗では、多くの大学生協がレジ袋削減を組合員参加ですすめています。また、文具メーカーと協力し、学生の意見を取り入れたエコ文具を開発し普及しています。

 食堂では、リサイクル可能な弁当容器の使用や間伐材を利用した「樹恩割り箸」の普及をすすめています。

 キャンパスでは、整理・整頓・清掃・清潔・習慣の5Sを環境活動の基本と位置づけ、清掃活動やゴミの分別を呼びかける取り組みを行っています。離島や海岸の清掃活動に取り組む大学生協もあります。

 1998年には大学生協の呼びかけで、農山漁村と都市を結びながら森林・土・風土と私たちのつながりを取り戻すことを目指してJUON NETWORK(NPO法人)を設立しました。この取り組みに各大学生協からボランティアとして参加する学生も増えています。

3.大学生協が取り組む国際活動

 1979年からユニセフに協力して、募金活動やユニセフの取り組みを紹介する活動を続けています。また、組合員の要望にこたえて、Table For Twoやフェアトレードの取り組みを行なう大学生協も増えてきています。

 留学生との交流もすすめられ、ハラルフードを提供する大学生協もあります。

4.激甚災害・防災に関する取り組み

 地球規模で環境の悪化が進む中で、特に温暖化の影響から世界各地で異常気象が頻発しており、干ばつ、水害、大型台風などが多発しています。また、地震や津波で多くの死傷者が出ています。新型インフルエンザなど世界規模でウイルスや疫病の被害も出ています。

 昨年は、ハイチ大地震や口蹄疫の緊急募金など、激甚災害に対応して多くの大学生協で組合員に募金の呼びかけが行なわれました。

 また、災害やその他大学生の身の回りにある様々な危険から身を守るために、地域と協力して防災体験の取り組みを行なっている大学生協もあります。

5.自立した消費者になるために

 毎年、消費者大会に参加して大学生の現状ついて報告しています。また、学生生活の実態調査を実施し、大学生の生活について広く社会に発信しています。

 消費者被害にあわないように注意を喚起する取り組みや、行政と協力して消費者被害の研修会などを行なっている大学生協もあります。埼玉県では、行政が提起した不当表示広告の調査に協力し表彰されました。

 この2月には大学生の安全生活マニュアルとして「大学生がダマされる50の危険」を出版しました。

全国の大学生協の様子につきましては、下記のホームページからご覧になれます。