有限会社立川美術学院(芸大・美大受験予備校)は、中途退学時の学費および講習会キャンセル時の受講料について、今後、適切な返金対応をとることを約束しました。
申入れの趣旨
当該学院が消費者との間で、契約を締結するに際し、下記内容の意思表示を行わないこと。
- ①芸大・美大予備校コース通年コースの在学契約において
- ア. 分納学費の支払いを受けるにあたって、分納した入学者が退学する場合には、未納分の学費を完納しなければならないとする意思表示。
- イ. 授業開始後の学費の返金はしない(AO入試・推薦入試合格による退学も含む)との意思表示。
- ②講習会の受講契約において、納入後、受講料は理由の如何を問わず返金しないという意思表示
経緯
消費者より、中途退学を申し出たが、授業料等が返金されないとの情報が当機構に寄せられました。そこで当機構で当該学院の入学要項等を確認したところ、当該学院は、通年で途中入学を受け付けているにも関わらず、授業開始後の返金をしない旨、入学要項に定めていました。授業料の分納規定については、分納者が中途退学になった場合でも、残余の授業料を収める旨の規定になっていました。また夏季・冬期・入試直前の講習会の募集要項等にも「一旦納入された学費は理由の如何を問わずお返しできません。」と記載されていました。
そこで当機構は、当該学院に対し、上記内容が消費者契約法第9条第1号に抵触する不当条項であると考えられることから、上記内容の意思表示を行わないことを求め、2017年4月13日付で裁判外での申入れを行いました。
しかし当該学院は、回答をしてこなかった為、2017年9月5日に裁判に向けて消費者契約法第41条に基づく差止請求書を送付したところ、当該学院より、当機構からの申入れに従い、すべて是正した、また「分納学費制度」「特待生制度」は廃止したとの回答を受領しました。
事業者との協議
当機構は、当該学院に対し、是正した事実を確認する為の資料提供の要請や、返金の考え方についての質問を行う等、当該事業者と協議をすすめてきたところ、当該学院からは、当機構の指導に従い、いずれの場合も返金の対応を行いたいと回答を得ました。その為、当機構より返金対応についての要請書を送付しました。また当該学院と当機構で合意書を締結し、協議を終了しました。