賛助会員の活動紹介

群馬県生活協同組合連合会の活動のご紹介

1 高齢者の消費者被害防止等に向けて会員生協と群馬県との間で「見守り協定」の締結を進めています

 生協では、事業や活動を通して、誰もが安全で安心して暮らし続けることができる地域づくりに取り組んでいます。

 地域生協の宅配は、毎週担当者が地域を回り商品をお届けしています。医療生協では訪問看護や訪問介護といった事業で地域をまわっています。生協は地域で、一人暮らしの高齢者と直接お会いする機会が多いという特徴を生かして、地域の高齢者の消費者被害の疑いを察知した場合、消費生活センターに誘導や通報を行うなどを取り決めた「群馬県高齢者等消費者被害防止の見守りに関する協定」(以下「見守り協定」という)の締結を群馬県と進めています。

 群馬県生協連では、群馬県消費生活課からの要請を受けとめ、今年2月の理事会で「見守り協定」の締結推進を確認したあと、会員生協と群馬県の間で締結を行っています。

 現在までにコープぐんま(本部:群馬県桐生市、梅澤義夫理事長)、パルシステム群馬(同高崎市、田中三千夏理事長)、生活クラブ生協群馬(同佐波郡玉村町、丸山一世理事長)、よつ葉生協(同小山市、冨居登美子理事長)、利根保健生協(同沼田市、山田忠夫理事長)、群馬中央医療生協(同前橋市、瀧口道生理事長)、はるな生協(同高崎市、櫻井康喜理事長)の7会員生協が「見守り協定」を締結しました。

 「見守り協定」は第1条(目的)で、「日常の業務で戸別訪問する機会のある見守り者が、高齢者等に対する見守り、声掛け、消費生活センターへの相談誘導や情報提供、更に県から提供を受けた資料の配布等を行うことにより、高齢者等の消費者被害の未然防止及び拡大防止、早期解決に寄与すること」を目的としています。第2条(活動内容)をみると、「1 見守り者は、高齢者に対し、消費生活でのトラブルがないか積極的に声かけを行うものとする。2 見守り者は、業務の中で高齢者等の生活に消費者被害の疑いを察知した場合、消費生活センターへの相談を誘導するものとする。3 見守り者は、本人が直接、消費生活センターへ連絡することを拒んだ場合、本人の了解を得た上で、消費生活センターへ情報提供するものとする。4 見守り者は、県から配付用の資料を受けた場合には、日常の業務で接触する高齢者等へ当該資料を配布するものとする。」としていて、地域生協や医療生協の職員が通常の業務の中で無理なく見守り事業に参加できるものとなっています。

 「見守り協定」は他に、消費生活センターが解決に向けて尽力すること(第4条)や、県が見守り者に対して悪質商法の手口や気づきのポイント等について随時、情報提供すること(第5条)などを取り決めています。

 群馬県生協連では、この協定に基づく取り組みが広がることによって、高齢者の方が少しでも安心して暮らし続けられるまちづくりにつながると考えています。

2 食品安全の取組み「フードディフェンスに関するパネルディスカッション」を開催しました

 2007年に「ぐんま食の安全・安心県民ネットワーク」を設立し、群馬県の食品安全行政と連携した取組みを進めています。食の安全・安心に自主的に取組む消費者・生産者・事業者が連携し情報交換や交流を深め、群馬県と連携・協働し協働事業に取組むネットワークです(中嶋源治会長:群馬県生協連)。

 群馬県食品安全基本計画の「食品の安全に関する県民運動の推進」を担う役割をもっています。

※メンバー:JAぐんま中央会、あずま産直ねっと、ぺぱーみんとかんぱにー(子育てNPO)、群馬県食品衛生協会、コープぐんま、フレッセイ、ベイシア、とりせん、グルメフレッシュフーズ(加工)、群馬県消団連、群馬県生協連。

 県民を対象にしたシンポジウムや学習会を行う「地域語部の会」(2回/年)、食の現場を視察する「食の現場探求隊」(2回/年)、リスクコミュニケーションセミナー(リスクコミュニケーター養成)、群馬県の施策に関するリスクコミュニケーション(食品衛生監視指導計画等)等を群馬県との協働事業として実施しています。

3 最近の事業を紹介します

 6月27日(金)に「フードディフェンスに関するパネルディスカッショ ン~食品テロに対して食品関係事業者が取組むべきこと・消費者にできるこ と~」を群馬県とネットワークの協働事業として開催しました。

 昨年暮れに発生したアクリフーズ群馬工場の農薬混入事件のあと、マルハニチロホールディングスが食品安全管理を含めた品質保証体制及び危機管理体制について社外有識者からなる第三者検証委員会を発足させ、5月29日に最終報告が公表されました。この第三者検証委員会に消費者及びメディアの立場で参加した科学ライター松永和紀氏を招いて「食品テロに対して食品関係者が取組むべきこと・消費者にできること」をテーマに講演とパネルディスカッションを行いました。会場となった群馬県産業技術センターの多目的ホールに用意した180席は埋め尽くされ、事業者、行政、保健所などの参加者が9割を占めるなど関係者の関心の高さが伺えました。

 松永和紀氏の講演に続きパネルディスカッションを行いました。森田幸雄氏(東京家政大学教授)をコーディネーターに、松永和紀氏、中嶋源治氏(ぐんま食の安全・安心県民ネットワーク)、高川新一氏(株式会社ベイシア品質管理部長)、三枝裕昭氏(ポッカサッポロフード&ビバレッジ群馬工場長)、渋澤澄子氏(群馬県食生活改善推進員連絡協議会会長)、下田雅昭氏(群馬県衛生食品課長)がパネリストとして登壇しました。

 食品関係事業者や行政に望むこと、フードテロが発生した時に消費者にできること、正確な情報提供と錯綜した情報の取捨選択、雇用関係の実態把握と改善、社内のコミュニケーション、福利厚生の充実、監視カメラの活用、事件が起きる前の予兆への敏感さ等について意見交換が行われました。会場の参加者からもたくさんの意見や質問がだされました。

 群馬県内の工場で発生した事件であり、第三者検証委員会最終報告が公表されたら、それを受けて群馬県でいち早く事業者や消費者が報告をテーマに意見交換できる場を設定しようと、群馬県とネットワークで準備した企画です。