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福島県生活協同組合連合会からの「ふくしまの今…」レポート

 消費者機構日本(COJ)では、賛助会員としてご支援いただいている企業・団体の皆様の社会貢献活動やCSR活動等について、順次ご紹介させていただいております。

 今回は、福島県生活協同組合連合会(以下、「福島県生協連」と表記)様から、放射能問題と向き合い、未来の子どもたちに安心して住める福島を取り戻すための様々な取り組みのご紹介をいただき、「ふくしまの今…」についてレポートいただきました。

 あの歴史的な地震・津波・原発事故の大災害から、早や3年が経ちました。あらためて地震と津波による2万に近い犠牲者並びにその後の震災関連死された多くの方々の御霊に、哀悼の意をささげたいと思います。
 そして、東日本大震災並びに、その後の復興活動に対し、全国から多大なご支援を賜りましたことに対し、改めて心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
 原発事故がまだ終わっていないということは、私たち福島県民にとっては疑いようのない現実ですが、国民一般の意識の中で、福島原発災害はすでに過去の出来事になりつつあるのではないかとの懸念を、私たちは抱かざるを得ません。福島がだんだんと忘れられていくのではないかという「風化被害」を心配する人も増えています。
 「放射能では誰も死んでいない」というのは、正しくありません。避難の途中で、あるいは避難生活の中で命を落とした人は、自殺した人を含め、きわめて多数にのぼっています。福島県の「震災関連死」の数が突出して多く、2月24日の報道では1,664人にも及んでいることが明らかになり、震災や津波による直接死1,603人を上回っています。今も増え続けており、福島では今も被害が拡大しているといわれる所以となっています。これは紛れもなく、放射能による避難や慣れない土地で孤立感を深め精神的負担を抱えるなどのストレスが原因です。
 さて、放射能は目に見えないばかりでなく、低レベル放射線が人の健康に及ぼす影響が十分に分かっていないことが、被災地福島の社会を言い知れぬ不安に陥れています。こうした中、福島の子どもたちを取り巻く生活環境は、依然としてたいへんな状況にあります。

 現在、日本ユニセフ協会や日本生協連を通じ、くらし応援募金としてご支援いただいております「福島の子ども保養プロジェクト」「コヨット」についてですが、昨年12月31日現在の実績は、開始してからの累計で、1,220回、延63,385人となっています。本当に全国のみなさんの支援のお蔭でたくさんの子どもたちやその保護者を保養にお連れすることができました。
 低線量被ばくの影響がまだよくわかっていない中、多くのメディアでは、「子どもの被ばく『ゼロ』」「セシウム検出されず」「99%出ず」「内部被曝1%」「内部被ばく極小」などとの見出しを掲げた記事を出しています。
 こういう報道の影響もあり、子ども保養事業を否定的にとらえる傾向も出てきました。主として「福島は汚染されていることを公言することになる。風評被害を助長する」などです。
 そして、対になっているのは、福島は大丈夫なのだから、子ども保養に支援など必要ないといったことです。
 この考え方は二重の意味で間違っています。
 第一に、福島での原発事故がなかったかのように原発輸出や再稼働に前のめりな安倍内閣の姿勢に迎合することになります。福島は確かに汚染されているのです。
 第二に親子に寄り添った活動、特にストレスの軽減を求めるニーズは大きいものがあります。これを否定することは「被災者に寄り添う」ことを実現した「協同の心」を失うことになるからです。
 短期間の保養で、被ばくの低減とはなりませんが、累積被ばくを少しでも減らすことにはつながります。また子どもはもとよりその保護者のストレスを軽減することが今の福島にとって、たいへん重要な取組みであることがわかっています。
 「福島大学子どもの心のストレスアセスメントチーム」の調査データによりますと福島の保護者の放射能に対する不安、ストレスは、時間経過とともに低下してきていますが、他県に比べれば、全ての項目で依然として高い状態にあるとのことです。
 「外遊び」「洗濯物」「換気扇の使用」「窓開け」等への不安は低下しましたが、「水などの飲み物」「食品の産地」への不安は変わりません。「食品の産地」への不安は、福島に限らず、震災後、広い地域に広がりました。
 また、「外遊び」に戻る傾向にあり、屋内遊び場の整備とともに、これからは屋外で安心して遊べる環境の整備が重要になっているとのことです。
 このことについては、県内で最初の屋内遊び場を運営しているNPO郡山ペップ子育てネットワークの調べでも、保育園・幼稚園児のほとんどは、園から帰った後、外遊びをしていないことが明らかになっています。
 昨年12月13日文科省発表の学校保健統計調査によれば、福島県の肥満傾向児の割合が6つの学年で全国トップであったことが明らかになりました。県では、原発事故で子どもの外遊びの機会が減ったり、避難生活が長引いたりして運動不足になっているのが要因であるとしています。一方、日本科学者会議では、肥満の原因は、放射線が活性酸素をつくり出し、細胞内のミトコンドリアという体内脂肪を分解する成分を破壊したことにより、脂肪が増え(ペトカワ効果)、肥満傾向児を増やしていると言っています。
 保護者同様、子どもたちのストレスも時間とともに低下してきていますが、他県と比べると、依然として高い状態が続いています。子どものストレス対処が急務であることをデータが示しています。
 福島医大の前田教授は、放射線による被害の状況を、「目に見えない」「長期・慢性的」「どこが被災地かわからない」など、母親の不安な行動が子どもにうつり、その子どもの不安行動を見て、また母親が不安になるとの悪循環を指摘しています。
 一時期10万人とも言われた県外への自主避難者数は、本年1月16日現在48,364人まで減少し、福島に帰還してきていると思われますが、東日本大震災中央子ども支援センター福島窓口で調査した結果、避難している保護者の多くは、避難する・しないの選択の中で、離ればなれになってしまったために、「避難をしたことで、しなかった友達を裏切ったのではないか?私は逃げたのかしら?」と今も途絶えた連絡を取らずにいる人たちもたくさんいるといいます。「子どもが父親が帰るたびに号泣する。私が父親と子どもを引き離しているみたいで辛い」「子どものために避難したけど、私の判断は間違っていたのではないかしら」「子どもが避難先で慣れてきたのは嬉しいけど、私だけが前に進めていない気がして落ち込みます」「友達も親戚づきあいも断ち切って避難しました。福島に戻った時に私の居場所があるのかな」「いつまで、この生活を続ければいいのですか」と母親たちは自己肯定感を失っています。
 帰還することは元いた場所に戻るだけではない複雑な問題と言わなければなりません。子どものあそび場だけではなく、母親たちが安心して自分の思いを話せる場所も必要になってきています。

 福島県内の生協組合員の命と暮らしを守る運動として、食品の検査体制の充実を求めるとともに、組合員活動の一環として食品の放射線測定器を全国の生協のご支援で30台入手することができました。食品の放射線を測定し、健康を守る活動を進めているところです。ファーストトラックファイバーというスクリーニング機器を搭載した車輌は昨年6月19日に浜通り医療生協に配備し、本年2月からは、福島医療生協でホールボディカウンターが本格始動しました。さらに、非破壊の食品放射線測定器を購入、車輌に積んで巡回測定の体制を整えました。今後の検査では、食べ物、土壌、そして、どれだけ内部被ばく・外部被ばくをしているかを確認するために人を調べ、現実をトータル的にきちんと捕まえた上で対応を考えていく必要があります。
 そうした研究成果については、支援していただいている日本生協連や全国の生協はもとより、人類はじめての原発震災を経験した福島から世界へ未来へ発信していくべきものであると考え、福島大学うつくしまふくしま未来支援センターに研究委託を行いました。その成果について報告ができるよう準備しています。
 さて、土に含まれる放射性セシウムがどのくらいの割合で作物に移行するかを示す値を「移行係数」と呼んでいますが、これまで野菜の移行係数は、一般的に「低い」とされてきましたが、震災直後から続けられた研究によって、そのことが裏付けられました。福島県の農業試験場では全国から研究者が集まり、コメに、放射性セシウムが移行するのを防ぐ方法を模索してきました。植物の成長に欠かせない肥料「カリウム」に、放射性セシウムの移行を抑える働きがあることが分かってきました。
 カリウムは放射性セシウムと似た構造をもっています。土壌にカリウムが十分ある場合、植物がカリウムを先に取り込むため、放射性セシウムの移行が抑えられるのです。高圧洗浄機を使用して果物の樹皮をはぐなどの除染対策もとられてきました。
 原発事故から3年が経ち、セシウム総量の半分であるセシウム134は、半減期が2年なので、全体的に減少してきています。
 一昨年10月から、福島市を管轄する新JAふくしま管内の田畑一つ一つを調べて、詳細な放射性物質分布マップを作る「土壌スクリーニングプロジェクト」通称「どじょスク」を行ってきました。本年1月31日現在、全国の生協からのボランティア参加者は累計で29組織、延296名の参加となっています。調査の進捗状況は、果樹園は昨年の内に100%終了し、水田も4月一杯で終了する予定となっております。
 平成25年産米の検査結果は、30㎏約1,010万袋のうち、検出限界値の25ベクレル未満の米は99.6%で、出荷制限の100ベクレルを超える米は、28袋でした。その内27袋は2年間作付けをしなかった南相馬の水田からとれた米であり、1袋は、カリウムの施肥を一切行わなかった未対策の水田からとれた米です。
 実際の食事に含まれる放射性物質量の調査でも、微量のセシウムが検出された家庭でも同じ食事を1年間食べても内部被ばくの推計値は0.02~0.14ミリシーベルトにしかならないことが分かってきました。
 当然です。食事の大半を占めるお米が、25ベクレル未満で、さらに土壌改良をすることで、おかずとなる野菜等へのセシウムの移行を大きく減らすことができます。畜産農家は、外国から高い飼料を購入していますし、魚は、地元の漁協が石橋叩いてなお渡らずというような慎重な対応で試験操業を行っており、そもそもあまり流通されていません。このように食べ物からの内部被ばくは、自分たちでコントロールできるということです。土壌、食べ物、人を検査し、ひとつひとつの安全を示しても、だから結局安心してよいものかという疑問は残ります。安全の積み重ねの結果、それぞれの相関関係を示すことにより、安心につながるのではないかと考えます。

 消費者庁では平成25年度地方消費者行政活性化交付金を活用した事業の目的のひとつに「風評被害の防止」を掲げ、福島県は、この交付要綱に基づき、「消費者と生産者等の理解・交流促進事業」を当連合会に委託しました。県内に県外主要消費地から消費者を招聘する企画が都合4回、関西・関東地区でのPR企画が都合3回実施しました。県内に招聘した企画では、米の全袋検査場、モニタリングセンター、土壌スクリーニングの視察を入れました。こうした視察と生産者との交流の中から、福島県の農業に対する理解を深めていただくことができたと考えます。1,334通という数多くの方々の思いをアンケートとして集約させていただきました。

 協同組合の父と言われるロバート・オーウェン(英)は、「もし、人々の意見を一致させることができないとしたら、せめて、皆の心を寄せ合わせるよう務めようでないか」と言いました。その「心を寄せ合うべき」環境こそ、現在の福島にないか。心を寄せ合い、互いの違いを尊重しながら、一つになる。本物の「協働」実現が、原発災害以降を生きる人間の責務ではないのか。この困難なときこそ、つながろう!福島はひとつに。「福島はひとつにつながる」「福島と消費地がつながる」「福島に思いを寄せる人々がつながる」この形こそが、「ふくしまSTYLE」の「復興」なのだ。
 昨年12月19日に行った「ふくしまの今…風評を吹き飛ばせ!絆で復興!!ふくしまSTYLE」の申し合わせで、最後に綴ったことばです。