生活協同組合コープみらいの社会貢献活動のご紹介
消費者機構日本(COJ)では、賛助会員としてご支援いただいている企業・団体の皆様の社会貢献活動やCSR活動等について、順次ご紹介させていただいております。
今回は、生活協同組合コープみらい(以下、「コープみらい」と表記)からご寄稿いただきました。
コープみらいとは
コープみらいは、千葉県、埼玉県、東京都の約300万人が加入する、日本最大の生協です。
2013年3月21日に、ちばコープ、さいたまコープ、コープとうきょうの3生協が組織合同(合併)して誕生しました。
コープみらいをはじめ、いばらきコープ・とちぎコープ・コープぐんま・コープながの・コープにいがたの各生協、およびコープネット事業連合とその子会社で構成されるコープネットグループで、共通の理念「CO-OP ともに はぐくむ くらしと未来」とビジョンを掲げています。
商品の開発・仕入・企画・管理、セットセンターなど物流や生産施設の運営、システムなどのほか、毎週商品をお届けするコープデリ宅配、店舗事業をはじめ、サービス事業などのチェーン本部機能を共同で作り上げ、消費者、組合員のくらしへの最大貢献をめざしています。
さらに、組織合同(合併)に向けて組合員から寄せられた、約80万通のアンケートの声を形にした「コープみらいのありたい姿」を、今後の事業や、組合員の参加とネットワークをつうじて具体化していきます。
コープみらいの社会貢献活動
健康で安心して暮らしたい、という消費者・組合員の願いを、事業を通じてかたちにしています
コープデリ宅配事業、店舗事業を通して、毎日の食生活に役立ち、誰でもいつでもどこでも利用し続けられ、多様なくらしに対応する事業を展開しています。
この数年間では、特に買い物弱者への配慮をきっかけとして、夕食宅配事業、移動販売事業、店舗の配達サービス(電話での御用聞きと店舗取扱商品の宅配サービス)を広げています。またコープデリ宅配での目の不自由な方への“声の商品案内”(リーディングサービス)、赤ちゃんや高齢者、障がい者への宅配手数料の割引なども実施し、利用の幅をさらに広げています。
「日本を、食卓から元気にしたい。」を合言葉に、商品を通じた社会貢献を進めています
「食料自給力向上」「地域の生産者応援」「むだをなくす」をテーマとし、農業など地域産業の育成や、環境(生物多様性など)に配慮した商品などの取り扱いや普及に取り組んでいます。
- 「佐渡トキ応援プロジェクト」:CO・OP佐渡コシヒカリのご利用1kgにつき1円を、トキが住みやすい環境づくりに活用される佐渡市環境整備基金に寄付しています。
- 「美ら島応援プロジェクト」:沖縄伊平屋島産もずく(CO・OP商品数種類)の1パック1円を伊平屋村に寄付し、生物多様性を育む環境づくりに活用いただいています。
- 「お米育ち豚」「稲穂のみのりたまご」などの生産に2000トン規模で飼料米を活用しています。遊休田を田んぼとして生かすことで、農村環境の保全とあわせ、輸入飼料から国産米への置き換えによる食料自給力の向上に結びつけています。
- 農産品の無駄をなくすため、「産地支援セット」「もったいないセット」で規格外品や被害果などの利用につなげています。
多くの産地を組合員・職員が訪れ、産地の方々と交流するなど結びつきを強め、組合員が買って応援(利用して参加)できる社会貢献として広げています。
大規模災害への対応などで、多数の組合員とともにたすけあいの力を発揮しています
大規模災害発生時には全国の生協と協力してグループ全体で緊急募金を呼びかけ、被災地域への人的、物的な支援・お見舞い活動を行っています。
東日本大震災では、発災直後には食料や燃料などの支援物資をいち早くお届けしました。募金は、2013年3月20日までの約2年間に、組合員から7億2000万円以上お寄せいただきました。そのうち5億7000万円は被災者への義援金として日本生協連を通じて被災者にお届けしました。引き続き「東日本大震災復興支援募金」として、被災者、被災産地などの支援や、被災地の子どもたちの受け入れ活動、現地で支援活動を進める諸団体への援助などに活用しています。
これら東日本大震災への支援活動が評価され、コープネットグループとして「厚生労働大臣感謝状」を受けました。
「忘れない」「続ける」「伝える」「つなげる」を合言葉に復興支援活動を継続しています
東日本大震災被災地の1日も早い復興を願い、支援活動を広げています。
被災地を離れコープみらいのエリア内に避難されている方々への対応や、仮設住宅におけるおしゃべりの場の提供・運営や、被災地へ出向いての支援活動を組合員・役職員が一緒に続けています。
また、商品を通じた支援として、被災地で加工・生産されたものを取り扱い、多くの組合員からご利用いただいています。そのうちのいくつかはご利用数量に応じて東日本大震災復興支援募金への拠出に結びつけています。
よりよい地域と社会づくりに向け、消費者力の育成、自治体、地域社会との連携を広げています
コープみらいでは、災害時における生活物資供給協定を58自治体と締結しました。また、33自治体の見守り活動への協力協定を締結しています(いずれも2012年度期末)。今後も自治体との連携を強化し、これまで以上に地域から頼れるコープになるよう取り組みを進めていきます。
- さいたまエリアでは、「ふれあい食事会」で約2千食を提供、「ふれあい喫茶」には3千人規模の参加を広げました。「地域支えあいマップ体験」を県内各地で広げるため、担い手(講師)養成講座に取り組みました。消費者として学びたいと、公開学習「社会保障と税の一体改革を考える前に」「再生可能エネルギー」などを開催しました。また、「男女共同参画アクションプログラム」で掲げたように、小さな子どもを持つ職員も安心して働けるよう事業所内保育室を2008年から設置し5ヵ所になりました。
- ちばエリアでは、将来にわたって安心して暮らせる高齢者の住居を提供するため、介護サービスを提供する居宅サービス事業所を併設した、サービス付き高齢者向け住宅の建設を計画しています(2014年8月開業予定)。“コープだから安心”という信頼感を基に、入居者同士、地域との社会的関係の構築を目指しています。
なお、介護サービス事業所は、コープみらいエリアだけで42事業所となっています。 - とうきょうエリアでは、コープに求められる公益性を踏まえ、地域に役立つ市民活動を支援する取り組みとして「コープサポータークラブ」「NPO法人支援」制度を行っています。コープの組織と連携し、それぞれの地域で、子育てや高齢者支援、たすけあい、環境問題など、くらしを取り巻くさまざまなテーマに、地域社会づくりへ取り組みの充実を目指しています。
環境保全の取り組みは事業だけでなく、組合員・消費者と手を携えることで効果を上げています
将来にわたって持続可能な社会を実現していくため、組合員とともに次の「3 つの柱」で環境保全の取り組みを進めています。
- 低炭素社会の実現(温室効果ガス削減の取り組み)
CO2の排出を総量で削減する自主行動計画を掲げています。コープネットグループ全体では2012年度までに2002年度比でCO2排出量を総量で1%削減する目標を立てました。2012年度は2002年度比▲1.36%と達成しました。 - 自然共生社会の実現(生物多様性を守る取り組み)
商品の販売代金の一部を寄付する「佐渡トキ応援プロジェクト」や「美ら島応援プロジェクト」を通じて、自然環境の保全への取り組み、生産者と消費者の交流や連携も進めています。 - 循環型社会の実現(廃棄物の削減とリサイクル)
廃棄物の抑制、店舗の食品残さの堆肥化と、その堆肥を使って育てた商品販売をしています。
また、資源物の回収リサイクルを推進しています。コープで回収された資源物は、組合員の協力により汚れが少なく分別もきちんとされ、再資源化事業者から高い評価を受けており、その一部はコープネットエコセンターで圧縮・減容して保管し、再資源化事業者に引き渡しています。
- 1990年代から組合員とともにマイバッグの持参をひろげており、コープみらい、コープネット全体での2012年度のレジ袋想定削減率は平均75%前後と高い水準を維持しています。
- ペットボトルキャップは、2012年2月の回収開始以来1年半で店舗・宅配あわせて約120トンも集まりました。売却代金相当額は「世界の子どもたちにワクチンを日本委員会(JCV)」に寄付することにしています。
コープネットグループでは、社会的に認知された外部基準を満たす認証商品を「環境配慮商品」として取り扱っています。
コープの環境の取り組みを子どもたちに分かりやすく伝えることを目的として、「夏休み環境教室」(エリアにより多少内容や名称が異なります)の開催に取り組んでいます。
子育て応援は、組合員自身の取り組みから出発し、地域・行政との連携で広がっています
宅配などの事業では、子育て・子ども向け商品の取り扱いはもとより、学童保育や保育園などへの食材配達、地域での見守りアピール、組合員によるボランティア活動などを通じて、地域で子育てを応援する取り組みを広げています。
地域の中で楽しく親子が集まれる場として「子育てひろば」を身近な地域で開催しています。店舗や公共施設を会場として定期的に開くものや、出前開催を随時行うなどで認知が広がっています。
コープみらいでは、組合員自身が自主的に開催するひろばを全体で912回開催し、7120組の親子が参加しています。また、ちば・さいたまエリアでは自治体から地域子育て事業ひろば型の運営を10拠点で受託しており、2352回、45834組の親子が参加しています(いずれも2012年度実績)。
また、職員の子どもを対象に、父母の職場で仕事体験を行う「子ども参観日」を毎年行っています。コープネットグループで働く職員の仕事をそのお子さんにも一緒に体験してもらい、「働くこと」の意味を学んだり、家族に「生協で働くこと」の理解を深めていただくことを目的に、次世代育成支援の一環として取り組んでいます。
国際的なつながりの中で、平和で持続可能な社会をめざしています
コープみらいは、国際救援、環境、福祉などの幅広い取り組みを支援する募金活動に取り組んでいます。募金先であるユニセフ(国際連合児童基金)、日本赤十字社、WWFジャパン(財団法人世界自然保護基金ジャパン)などの団体の活動を支援しています。
「ハッピーミルクプロジェクト」では、CO・OPマークの牛乳1本につき1円を、アフリカ・モザンビーク共和国の子どもたちのために、ユニセフと同国が共同して行う栄養改善プログラムへ寄付してきました。グループ全体で取り組み、2期6年間累計で1億円を越えました。
2012年は国連が定めた国際協同組合年であり、他の生協や農協、漁協などとともに協同組合の価値と社会的役割について参加とネットワークの活動を通じて広く社会に発信しました。コープみらいでは協同組合の意義と価値についてあらためて深めることを目指して、イタリアの協同組合連合組織の女性幹部をお招きし、シンポジウム「協同組合が未来を創る」を2012年9月に開催しました。