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東京都生活協同組合連合会の福祉のまちづくりの取り組みのご紹介

 消費者機構日本(COJ)では、賛助会員としてご支援いただいている企業・団体の皆様の社会貢献活動やCSR活動など、社会的なお取組みの状況について、順次ご紹介させていただいております。

 今回は、東京都生活協同組合連合会様から、生活協同組合連合会が行う福祉のまちづくりの取り組みについてご寄稿いただきました。

(はじめに)

 生活協同組合(生協)は、組合員のくらしの安全と安心の実現のために多様な事業と活動に取り組んでいます。同時に、地域社会の重要課題である人と人とのつながりを大切にした助け合い、ふれあい、ささえあいの活動を、地域の中で主体的に取り組みを推進しています。

 東京都生活協同組合連合会(以下、「東京都生協連」と略す。)は、生協の果たすべき社会的役割がますます重要になってきているとの認識のもと、2007年から検討を始め、2012年から福祉のまちづくりの新たな取り組みを始めました。その動向と実態について報告します。

1. 「東京の生協がめざす福祉のまちづくりへの方向性」について

 東京都生協連では、生協の社会的役割のひとつとして、福祉分野での地域貢献について1990年代から協議を重ねてきた経過があります。組合員からの要望もあり、介護保険制度の導入と同時に福祉事業の取り組みを始めましたが、各生協単位での実践であり、生協間連携や助け合い活動との連携には至らずにきました。

 しかし、東京の生協は、地域によっては住民の約半数が組合員ともいえる状況の中、地域にしっかりと貢献することが役割との認識のもと、2007年の東京都生協連理事会において、「地域生協と医療生協の活動を連携させることで、福祉分野での地域貢献を図る」ことを確認しました。新たに設置された「福祉コミュニティ・福祉事業政策検討小委員会」において具体的答申の検討を進め、2008年11月の東京都生協連理事会に「東京の生協がめざす福祉のまちづくりへの方向性」(以下、「答申」と略す。)を答申し、確認しました。

 答申は、基本理念として次のように述べています。

首都東京で活動する生協は、生協の枠を乗り越えて協同して、福祉のまちづくりをめざします。

<基本理念>

  1. ①自分らしく安心して生活できる地域づくりをめざします。
     生活者が、年齢、家族構成や障がいの有無に関わらず、誰もが住み慣れた家庭や地域で自分らしく安心して生き生きと暮らしていくことが求められています。その実現のため、地域住民や地域の各種団体、ボランティア、福祉サービス提供者、行政などが連携し、制度によるサービス利用だけでなく、地域での人と人のつながりを大切にした福祉のまちづくりに取り組みます。
  2. ②地域の中で支えあう社会の充実をめざし、生協が担う役割を明確にし、実行します。
     住民同士の助け合い(助けられたり、助けたりする)関係をより深くしながら、共に生き、支えあう社会の充実のため、地域の助け合いや健康づくりの活動と福祉事業とが連動し、「安心して生活ができ、生き生きと自立して暮らすことができる地域社会づくり」に貢献します。また、自治体や民間でも充足されないニーズやサービスにも対応する役割も担います。そして、必要なサービス施策の充実のため、自治体への働きかけをしていきます。

 さらに、安心して暮らせる地域福祉づくりへの想定される行動として、以下の課題を挙げています。

  1. ①高齢者・障がい者・子育て等の生活問題の把握と見守りと支援
  2. ②相談支援体制として、必要な情報が入手できる方法と場所、相談相手・話し相手
  3. ③助けを必要とする「ちょっと」したボランティアのしくみ
  4. ④災害時の高齢者・障がい者などの救助などの不安への対応
  5. ⑤様々な分野で活動している団体同士の連携
  6. ⑥ボランティア活動への支援・活動拠点の確保
  7. ⑦地域の繋がり、住民のつながりの希薄さの緩和
  8. ⑧集まれる場所・たまり場・居場所づくり
  9. ⑨町内会・老人クラブの役割の活動交流
  10. ⑩世代間交流やマンション住民との交流の場作り
  11. ⑪交流会や勉強会の開催

 東京都生協連ではこの答申を具体化するために、2009年12月、地域生協、医療生協の代表とアドバイザーの明治学院大学の河合克義教授で構成した「福祉のまちづくり検討チーム」(以下、「検討チーム」と略す。)を設置し、検討を進めました。

2. 生協間の連携を進める交流の場

 東京の生協では既に、生協組合員がお互いに活動や情報を提供しあう連絡会が2つ活動しています。

(1) 自治体別生協連絡会

 生協組合員が相互に交流し、行政や他団体とも連携して「安心して住み続けられるまちづくり」をめざして活動しています。1980年代後半に生協間の組合員交流が進み、連続学習会等に取り組んできました。1992年からは年1回の活動交流会を開いています。現在は10行政区で、地域生協、医療生協を中心に活動しています。防災、環境、福祉、健康など、年間計画をたて、組合員が主体的に運営しています。

(2) 福祉助け合い活動連絡会

 地域生協、医療生協の代表で運営し、年4回の定例会議を開き、福祉助け合い活動の交流を行っています。2005年度からは、福祉助け合い活動交流会を年1回開催し、相互に活動の見学・体験をしあい、報告し、分科会で交流を深めてきました。近年は、ネットワークづくり、健康なまちづくりをテーマにワークショップを重ねており、生協間の連携が広がりつつあります。医療生協を知る連続講座を企画した地域生協では、医療生協の介護施設や高齢者サロン見学、医療についての学習会を契機に、新たに団地でのサロン活動等を開始しています。

 この2つの連絡会は、特に地域生協と医療生協の組合員活動を中心に、「知ろう、つながろう」という連携を意識した交流の場として大きな役割を発揮しています。

3. 東京の生協がめざす福祉のまちづくりの推進

(1) 検討チームでの実践課題の具体化

 検討チームは、2ヶ月に1回の会議を持ち、答申を具体化するための課題について検討を進めました。協議の中で、地域生協と医療生協が生協の枠を乗り越えて取り組むことを前提にした福祉のまちづくりのイメージを出し合い、各生協の活動を通して気づいた地域の状況への認識から、高齢者問題を喫緊の課題と位置づけました。キーワードは、「ひとりぼっちにしないまちづくり」としました。検討チームは7回会議を開き、答申の具体化を図り終了しましたが、引き続き「福祉のまちづくり委員会」として、実践の進捗管理を中心に定期的な委員会を年2回開いています。

 なお、検討チームでは、会員生協の協同した福祉関連事業の課題と地域で取り組む課題の2つを具体的検討項目としていますが、本稿では地域で取り組む課題の実践について述べます。

(2) モデル地域の設定

 進め方として、東京都内全域で同時に取り組むのではなく、モデル地域を設定して実践し、その経験を広げていくことにしました。モデル地域の選定は、①医療生協の事業所がある、②東京都生協連の自治体別生協連絡会が活動している、③地域生協と医療生協が協同する土壌がある、の3つを条件とし、杉並区、北区、練馬区を設定しました。杉並区からスタートし、北区、練馬区と順次着手していきました。

 東京都生協連は、モデル地域で取り組みを開始するまでの事前準備として、東京都生協連として行うべき2つの課題に取り組みました。第1に、各生協の福祉関連責任者を訪問して理解を得ること、第2に行政および区社会福祉協議会への訪問です。訪問に際しては、モデル地域での福祉のまちづくりの流れを説明しました。これにより、各生協からは、モデル地域在住の地域理事や職員などを送り出してもらうことができ、組織的な取り組みに位置づけられました。

 また、今回の福祉のまちづくりを進めるうえで、行政と社会福祉協議会との連携は欠くことができないと考え、まず、東京都生協連の専務理事が訪問し、東京の生協の地域ごとの組織状況や活動状況などの資料を持参し、今回の取り組みの趣旨と、行政や社会福祉協議会と連携しながら生協の役割を発揮したい旨を説明し、理解を得ることができました。さらに、今後の連絡担当窓口を設けてもらえたことで、以降の連絡がとりやすくなりました。

(3) モデル地域での実践

 3つのモデル地域のうち、最初にスタートした杉並区の経験を紹介します。

《杉並区での取り組み》

 2010年4月、杉並区内で事業展開しているコープとうきょう(当時)、東都生協、パルシステム東京、生活クラブ生協、東京西部保健生協の5生協が参加し、第1回目の打合せ会議を開きました。

 あらためて今回の取り組みについて説明の後、各生協の活動状況の紹介と、あわせて、それぞれの問題意識や杉並区での進めかたについて意見交換をしました。モデル地域の生協ごとの丁町別人口と組合員数および組合員比率一覧や区内での福祉事業や助け合い活動の分布図をもとに、杉並区の生協の組織状況を確認しあいましたが、お互いの生協の活動がわからない状況で、取り組みへの手がかりがつかめずにいましたので、お互いを理解することから始めようということになり、「杉並区内における組織状況・活動状況」の調査を実施しました。その結果、区内の生協活動が数字上から鮮明になり、その規模に驚かされました。中でも最も注目したのは、個人宅への配送車が毎日139台稼動していることです。杉並区内では、週1回3万5000戸を訪問しています。さらに、医療生協では「虹のかけはしさん」という、機関紙やニュースを手配りする取り組みがあり、定期的に組合員訪問をされています。これらの力を地域資源と位置づけ、地域の見守り活動に活用できるのではないか、と参加者全員が一致しました。既に目黒区での見守り活動「見守りめぐねっと」へ参加している生協もあってイメージのしやすさもあり、杉並区での実施へ向けて検討を開始しました。

 第2回目の打合せ会では、会の名称を「福祉のまちづくり・杉並」とすること、各生協の代表で構成する事務局会議を置くことを確認し、定例会の前に課題整理をして提案するという推進体制が整ってきました。以後、各会議を隔月開催しています。

 第1回目の事務局会議では、見守り活動の検討と同時に、2つの課題について協議をしました。1つは、杉並区の福祉政策について学ぶこと、2つめは、福祉のまちづくり・杉並の最初の企画としての講演会の開催です。まず自分たちが区の施策をきちんと理解することと、今回のひとりぼっちにしないまちづくりの取り組みを発信するためです。ここから協同の1歩を踏み出そうということになりました。

①杉並区との意見交換会

 早速、連絡窓口の担当課長に相談し、杉並区の福祉政策を学ぶ場を設けてもらい、意見交換を行いました。当日は保健福祉部の5名の課長の出席を得て、それぞれの施策を聞き、意見交換ができ、区の「ひとり暮らし高齢者たすけあいネットワーク」の見守り活動の参加へと繋がっていきました。

②ひとりぼっちにしない杉並(まち)づくり講演会

 2010年12月、「ひとりぼっちにしない杉並(まち)づくり」のテーマで講演会を開催し、氷雨の荒天の中、140名の参加があり、関心の高さを示していました。「福祉のまちづくり・杉並」の活動をスタートしてまもなく、杉並区での高齢者の所在不明事件という衝撃的な出来事があり、地域のつながりの希薄さが浮き彫りになった背景もあると思われます。

 明治学院大学教授河合克義氏からは「孤独死のないまちをめざして~高齢者の生活実態と社会的孤立~」と題して、高齢者の孤立には(ア)独居高齢者で家でも地域からも孤立している、(イ)高齢者夫婦のみ世帯で地域から世帯ごと孤立している、(ウ)一緒に暮らしている家族がいても家族の中で孤立しているという3つのケースがあること、また、調査データをもとに、周りとつながりを持たない高齢者が増加し、声を上げない人達が孤立していく現状について話され、地域ぐるみで孤立している高齢者を発見することの出来る仕組みづくりが重要と強調されました。

 杉並区保健福祉部高齢者在宅支援課長、畦元智恵子氏からは、「杉並区の高齢者福祉の取り組みと課題」と題して、杉並区のひとり暮らし高齢者実態調査の報告と、高齢者の相談内容では(ア)身寄りのないケース、(イ)多重債務、(ウ)認知症に関することが増えていると報告されました。

 2つの講演から、孤独感や寂しさを抱えている高齢者が増えている実情を知り、孤立している高齢者を発見してつながっていく活動を行政とも連携して生協がどう進めるか考える講演会となりました。同時に「福祉のまちづくり・杉並」にとって、単に当日の成功に留まらず、生協間の枠を低くし次へのステップが広がる大きな契機となったと思います。

③見守り活動の開始

(a) 見守り活動を始めるまでの準備
 杉並区との意見交換会の後、見守り活動の具体化を進めましたが、実施までに調整すべき課題がいくつかありました。まず、異変を発見した時の連絡先です。杉並区の現行制度では、日々の業務の中で高齢者の異変等に気づいたら、ケア24(20ヵ所ある地域包括支援センター)か民生委員へ連絡をするという流れになっています。しかし、配送車が1日数十戸を廻る状況では、担当のケア24に連絡することは困難を極めます。連絡先を一本化できないかの調整が必要となり、杉並区の担当係長に定例会議へ参加を依頼して検討し、平日の日中の連絡先は高齢者在宅支援課地域連携推進係とすることとなりました。

 次に、各生協の機関会議での確認と内部での手順の整備です。各会議での論議を経て実施内容を確認した上で、配送担当者の負荷を増やさないために、各生協が現在実施している連絡方法を基本に、各生協ごとに対応手順を作成することとしました。さらに見守り活動を機能させるために、現場の配送センターを訪問し、説明会をもって周知を図りました。その中で、「配送先に認知症らしき組合員が見られたりするが、間違いかもしれないと判断に悩む」ことなど具体的に意見が出されたこともあり、見守り活動の基礎知識学習として「認知症サポーター養成講座」を開くことにしました。講師は杉並区に紹介を依頼し、配送センター長をはじめとする担当職員と組合員を受講対象に63名が参加し(図表-1)、認知症への理解を深め対応を学び、「まずは声のかけ方から行動ができそう」との感想が出されました。

 これらの準備をしながら、配送車以外に店舗、診療所、介護事業所等も含めて、杉並区の「地域の目」協力団体として登録し、2011年7月から5生協が参加した見守り活動がスタートし「みまもりまりもくん」シールを貼った車が区内を走っています(図表-2)。

(b) 具体的な事例
 活動開始直後に、配達中、組合員の異変を感じ行政へ報告した事例が発生しました。この事例では、本部の責任者がいち早くその対応への評価を行い、関連する全配送センターへ発信し情報共有しています。現場への丁寧な対応は、見守り活動を定着させる上で教訓的な事例なので、当日の配信メールを紹介します。

<配送センターでの対応>

 以下の組合員について、電話を取る可能性のあるスタッフに共有をお願いします。

 昨日配達の組合員ですが、状況がいつもと違うので供給商品をEの判断で引き上げて連絡をしている状態です。M様の年齢は、70才くらいだそうです。通常なら、火曜日の午前中の配達時に、トラックが近づいただけでM様の方から出てきてくれて荷受をしてくれます。昨日は、午前中伺った際は不在、一旦供給商品を置いてくるが、担当が気になって夕方再度訪問。郵便受けを見ると4日分くらいの新聞が入ったまま、電気のメーターは通常どおり動いている。門扉にある電灯は点灯しているといった状態でした。インターホンを押しても電話をしても連絡が取れないので一旦供給商品を引き上げて、センターからM様に電話連絡とFAXによる連絡をお願いしています。同時に杉並区の地域の見守り活動に7月から参加していますので、杉並区役所高齢者在宅支援課に連絡して、行政からも連絡・訪問をしてもらっています。

 今後の展開として2通り考えられます。一つは、M様が外出先から戻られてこちらで送信したFAXを元にセンターに問合せをしてくる可能性。この場合は確認の上対応をお願いします。ただし連絡のタイミングによっては既に賞味期限切れになっている可能性がありますので再配達については十分注意をしてください。もう一つは、行政が先に連絡を取り付けてセンターに連絡がくる可能性。この場合、Eまで取り次いでください。対応が急を要する場合があるので、不在時はS副長につないで対応してください。

 この事例が本部へ報告され、本部では以下の対応をしています。

<事業・活動本部部長より発信>

 今週火曜日、M配送ライン担当者が配達中組合員の異変を感じ行政へ報告したところ残念ながら、お亡くなりになっていた事が本日わかりました。今回は残念でしたが、担当が気づかなければ発見は相当遅くなっていたと思います。またD君の「判断」と「行動」は素晴らしいのでセンターでの共有をお願いいたします。地域見守り活動の有無に関わらず、大切な組合員の安否は常に気を配っていきましょう。Eセンター長と、S副長の対応も素晴らしかったですよ。

 この事例では、行政が訪問して確認がされ、その結果の報告があったことで、関連職員への経験の共有が図られました。「福祉のまちづくり・杉並」の見守り活動は、従来から配達時の利用者への細やかな気配りが行われていたところに、今回の見守り活動を仕組みとして位置づけたことが大きかったといえます。配送職員にとっては、日常の状況をわかっている担当者だからこその気づきを大事にすることと同時に、行政との連携での見守りは、気になった時の連絡先があるという安心になっており、組合員の安心にもつながる取り組みになっています。

④「健康体操」を通した集まる場づくり

 東京西部保健生協では、転倒のないまちづくりをめざして、6年前から定期的に転倒予防の「荒川ころばん体操」を通した集まる場づくりを進めてきました。健康を守ると同時に、体操を通した自発的に集まる場づくり、閉じこもり予防、認知症予防などを目的に、延べ約3000人の参加実績があります。この間、地域生協でも取り組むところが増えてきています。

 「福祉のまちづくり・杉並」では、健康づくりをとおして自発的に集まる場づくりを進めるうえで、参加層を広げることを目的に若い層にも取り組みやすい健康体操の開発を検討することにしました。「荒川ころばん体操」の開発者である首都大学東京の山田拓実教授の協力のもと、2011年12月から新たな体操づくりに着手しました。同時に、体操の普及と集える場づくりのために、2012年7月から、体操を含めた多世代参加のサロンを開く計画をたてました。「福祉のまちづくり・杉並」の4地域生協が月1回輪番で運営し、1年間実施することにしました。内容は体操を柱に担当する生協が独自の企画をたて、医療生協は毎回健康チェックを実施するというものです。その事前企画として2012年4月に「今からの健康づくり~呼吸法と健康体操で心も体もリラックス~」のテーマで、学習講演会を開催しました。プログラムに新しい体操の体験を入れたこともあり、20歳代から80歳代まで120名の募集人員を上回る申し込みがありました。健康づくりへの関心の高さを実感した取り組みとなりました。参加者からの意見も参考に、体操の完成をめざしています(図表-3)。

⑤新しいたまり場見学会

 東京西部保健生協が高知県本山町所有の杉並区内の一軒家を本山町の厚意でしばらく借用できることになり、「福祉のまちづくり・杉並」も活動に参加できることになりました。4月に組合員や地域住民対象に「たまり場見学会」を実施し、150名を超す見学者が訪れました。幼児連れの若い親子の参加も多く、子どもが遊びながらの交流が見られました。骨密度測定、野点、各生協の試供品提供、本山町の物産販売などでにぎわいました。地域のふれあいの場として今後の活用を検討する予定です。

4. このまちで生協間の枠を乗り越えて何ができるか

 杉並での活動は、一歩ずつ進んできました。「ひとりぼっちにしないまちづくり」を具体化するために、十分協議をして合意したところから実践してきました。この取り組みを通して、生協ごとの連携も生まれてきています。特に地域生協と医療生協の相互理解が深まり、地域生協の店頭やイベントでの健康チェックを医療生協が担当するなど、日常的な関係づくりが進んでいます。こうした取り組みは北区、練馬区でもスタートしています。

 生協は、食・医療をはじめとした事業と、組合員による福祉助け合い活動など地域での生活を支える活動をしています。東京都の高齢化率が20%を超え、単身世帯、高齢者のみ世帯が増え続けている中で、東京の生協が取り組む福祉のまちづくりはまさに生協の社会的な役割です。

 モデル地域での活動は、地域生協と医療生協の相互理解をとおして連携が着実に広がってきており、その要因は地域のなかで定例の話し合いの場を持ち、地域課題を共有し、具体化してきたことにあります。人と人がつながり、各生協の得意分野を活動に活かすことが、いかに大きな力を生み出すかを表しています。今後、行政、社会福祉協議会との連携はもとより、町会、老人会など地域の団体とも一緒にまちづくりを進めていくうえで生協は何ができるのか、もっとアピールしていくことも必要になるでしょう。

 杉並区での活動を開始して2年を経過し他のモデル地域での活動も始まりました。今年度はモデル地域での経験を東京全体に広げていくために、3地域の活動交流の場を設け学びあう予定です。既にモデル地域以外でも生協同士の連携が広がってきています。

 地域でできることを地域性にあわせて具体化し、組合員の活動の場を広げ、担い手を増やし、元気で楽しく参加できる場をあちこちに作り、「ひとりぼっちにしない」まちづくりをすすめてゆきます。


図表-1


図表-2


図表-3